加住地域に残る戦国時代の「滝山三城」(滝山城、高月城、根小屋城)の保存と活用を目的に活動する「NPO法人 滝山城跡群・自然と歴史を守る会」が今年、NPO認証10周年をむかえた。「山城ブーム」とも言われる中、(八王子市としての)日本遺産への認定申請や2021年の滝山城築城500年の盛り上がりにむけ、現在活動に力を入れている。
大切なのは「下草刈り」
「その権威や権力を見せつけるための近世の城郭と違い、この3つは戦国時代の山城です。城好きの間ではここ10年ほど、石垣や天守閣のある城だけでなく、リアルに残る山城に興味を持つ人が増えているようです」。尾熊(おぐま)治郎理事長(74)はそう話す。
尾熊さんは丹木町の自宅前の道路が「滝山城下の軍事用の道だった」と知った15年ほど前から、滝山城跡について調べるようになった。
「会では三城についての講演会やガイドを開催したり、城に関する本を書いたりしています。しかし活動で何より重要なのは『下草刈り』です」。山城は放っておくと草が茂り人が入れない状態にもなる。「遺構景観回復作業ですよ」と尾熊さんは笑う。65人ほどの会員のうち、3分の1がこの保全活動に熱心で、定期的に集まり汗を流している。
市もPR 日本遺産へ
市では2年ほど前から「滝山三城」としてPRを始めた。会では今後も流れを加速し日本遺産への認定申請につなげたい考えだ。また2021年には滝山城が築城して500年を迎える。これを大きなチャンスと期待する。気運をつかみ、最終的には「観光資源として更に活用できるようになれば」と将来像を描く。
「見て楽しむのもいいですが、山城は『感じながらイメージする』面白さがあります。その場所で風にふかれて戦国時代を生きた人々の気持ちになってみてください」。来月は高月城築城560年を記念した「滝山二城めぐり」を企画している。
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