東京都高等学校野球連盟が先ごろ、12月に出発する、キューバ遠征の東京都代表メンバーを発表し、台町・八王子高校の投手、武内寛斗さん(2年)が選ばれた。「うれしい。もっている力を出し切りたい」と武内さんは意気込みを語っている。
スライダーやカーブ、シンカーなど多彩な変化球で相手の打ち損じを狙う技巧派ピッチャーの武内さん。最大の勝負球は、ストレートに近い球速のまま「ストン」と落ちるスプリットと呼ばれる変化球。秋の都大会では、そのボールを武器に2回戦の6回から登板。最終回に1点を失ったものの、8回まではパーフェクトに抑える快投をみせた。「キャッチャーの構えたところに正確に投げられ、ストライク先行で進めることができたのが良かった」とその試合の敗戦に悔しさをにじませつつも、自身のピッチングには手応えを感じた、と振り返っている。
「考える」野球実践
考えながら野球と向き合ってきたと話す武内さん。自身が突出した速いボールを投げられないと理解するや、他の要素に相手を抑えるための方法を求め、その一つが変化球を磨くことだったという。そして、投球フォームの改造にも取り組み、野球を始めた小学生時代の上手投げから、中学生になるとサイドスローに。変則フォームにすることで打者に打ちづらい、と感じさせたかったのだという。
八王子高校を選んだのも、「考える」野球を実践している点に惹かれ、自分に合っていると感じたからだった。入学後には再び、フォームを上手投げとサイドスローの中間の角度から投げ下ろすスリークォーターと呼ばれるフォームに変更。コントロールが不安定だった武内さんのサイドスローを見た同高野球部の安藤徳明監督のアドバイスを受けた結果だった。「投球が安定するようになり、球速も増しました」と武内さん。今では、変則フォームや変化球を駆使してバッターを「崩す」ことに楽しさを覚えるのだという。
夢はプロ野球選手
目前に迫ったキューバ遠征に対しては「世界の高いレベルのチームと対戦する機会を頂けて感謝の気持ちでいっぱい。もっている力を出し切りたい」と武内さんは話し、将来はプロ野球選手になるのが夢と力強く語る。その目標達成のためには、現在175センチ、71キロの身体を大きくしてパワーのあるボールを投げられるようにすることが必要と、毎食2合以上の白米を食べることなどを自らに課しているという。
武内さんに対して安藤監督は「人が良くて素直な選手。ただマウンドではもっとたくましさをみせてもらいたいね」と更なる成長を願う一方でキューバ遠征では多くの経験をして、それをチームに持ち帰ってもらいたいと期待を寄せている。
外野手の高橋さんも
今回の代表メンバーの補欠には、同校の外野手、高橋優介(2年)=右写真=も選出された。
左投げ左打ちの好打者タイプだが、現在チームでは4番などクリーンアップを務める存在。「補欠は悔しいが、正規メンバーの3人をこの冬で超えたいという向上心が芽生え、補欠で良かったとも考えています」と代表メンバーが怪我などで遠征に参加できない場合だけしかチャンスはないが、今回のことをバネに飛躍を果たしたいと前向きな姿勢で日々の練習にむかっている。
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