南大沢スマートシティ協議会は1日から「MaaS」の実証実験を開始した。バスや電動自転車などの交通と、駅前商業施設で使える買い物券などをWEBで販売する。交通機関との組み合わせにより、駅前から周辺地域へ促す効果の検証を行う。
MaaSとは複数の交通機関を組み合わせ、予約や決済などを一括で行うサービス。地域住民や観光客の移動の利便性向上が見込め、国は全国への普及を進めている。
お得なチケット
今回使用するのは、同協議会メンバーでもある京王電鉄(株)のスマホ専用WEBサイト「TAMa―GO」。南大沢駅までの往復乗車券と駅前商業施設の買い物券がセットになった「お得」なデジタルチケットや、バスと電動自転車のシェアサイクルが利用できる1日乗車券を販売する。
また、駅前商業施設、商店街、公園など7カ所をチェック箇所にしたWEBスタンプラリーを実施。同サイトから参加し、各所に置かれたQRコードの読み取りでスタンプできる。3カ所集めた人に買い物券を発行する。これにより、街の回遊性をさらに高める狙いだ。
同協議会事務局の都の担当者は「南大沢は、駅前の商業施設に訪れる人は多いが、その先まではなかなか足を延ばさない。公園などの資源がある一方、丘陵地帯という地形から坂が多く、移動が負担になるという課題がある」と指摘する。
WEBスタンプラリーのチェック箇所のひとつ、長池公園の田所喬さんは、「駅から公園は上り坂で歩いて20、30分。電動自転車は相性がいいと思う。普段公園に来ないような人、初めて訪れる人の来るきっかけになれば」と期待する。
鉄道の往復乗車券は京王線・井の頭線限定。鉄道と買い物券がセットになったデジタルチケットは5120円から。バスとシェアサイクルの1日乗車券は400円。チケットの利用やスタンプラリーは11月30日まで。
都担当者によると、アンケートなどで意見を集め、MaaS実装化に向け検証していくという。
先行しスマート東京
南大沢エリアは、デジタルの力で社会課題の解決を図る都の取り組み、「スマート東京」の先行エリアに指定されている。同協議会は、スマート東京を進めるため、先端技術を活用した街づくりの検討を目的に昨年10月に発足し、今回の実証実験は、この取り組みの一環。同協議会は都立大学や八王子市、地元企業などが参加している。
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