絹ヶ丘エリアとその周辺についての「探訪マップ」が作られ地域住民の間で反響を呼んでいる。マップは絹ヶ丘一丁目自治会(吉田升三会長)による組織「絹一ふれあいネットワーク」がおよそ1年かけて作成したもの。昨年7月に完成し、秋に自治会会員らに配布された。地元民も知らないような地域の歴史も記載されており「歩いてみたくなった」「子どもに教えたい」など評判だ。
子どもに伝えたい
市東部に位置するこのエリアは、かつて「多摩の横山」と呼ばれた小高い丘陵地帯。昭和40年代に宅地開発が進み、多くの人が移り住んできた。その一方、歴史は古く、長沼・北野地区は由井村として南北朝・室町時代まで遡ることができるという。
「地域のことを知らないのは、もったいない。歴史もあるのに。特に子どもたちに伝えることができたら」。今回の動機について、作成にあたっての実行委員長を務めた吉田美江さんはそう話す。ふれあいネットワーク自体は2014年に高齢化対策として「助け合いによる支援」を目的に始まった集まりで、20年からは「地域が元気になるための新たな活動」も展開。マップ作成はその中での試みとなった。ただのマップでなく歴史を織り込んだものにしたことについては、吉田さんが自治会とは別の活動として地域の昔話を伝える取り組みをしており、周辺の歴史に明るかった点が大きかった。
1年聞き取り
同年8月に最初の会合が持たれ、吉田さんを含め合計6人の編纂メンバーが集まった。作成はそれぞれが「聞き取り調査」することがメイン。地域を歩き、住み続ける人らに話を聞いた。およそ1年で合計9回。調査を繰り返し、文章化、マップ化を進めていった。
「レンガ場」「中橋の踏み板」「高橋織機工場跡」…昨年夏にできあがったマップには地域の人しか知らないこと、あるいは地域の人も知らない情報が詰まっている。発行は2000部。そのうち800部は自治会員に配られた。なお、作成には市の補助金が充てられた。
マップを見た人からは「歴史がわかって良かった」「友達と歩いてまわってみたい」「子どもに教えたい」などの反応があったそう。吉田さんは「自分の住んでいる地域のことをなかなかみんな知らないもの。親が知らないと、子どもへ伝わらない。まずは子どもたちに伝えたかった」と話す。このような取り組みに対し市高齢者いきいき課では「昔を振り返りながら地域歩きができる。地域を知ることで普段の生活に安心感も生まれるはず」と評価した。
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