子安町の「いずみの森義務教育学校」は、地域と連携した取り組みが評価され、文部科学大臣表彰をこのほど受賞した。地域住民が校内の図書館運営に携わるなど、同校学校運営協議会と地域学校協働本部の連携によって学校の充実を図っている。
いずみの森義務教育学校(石代俊則校長)は2020年4月、第六小学校と第三中学校が合併し開校。同時に学校運営協議会といずみの森協働本部を設置した。
同学運協は町会長や保護者、学校長らで構成されている。定例会を月1回開き、学校運営の課題や支援する内容を話し合って決定したものを同協働本部が実行する。市担当者によると、市内で学運協と地域学校協働本部がある学校は「非常に少ない」という。
同校の取り組みの一つに、図書館運営の支援がある。図書館の貸し出しや返却、蔵書点検などを学生を含む地域のボランティアで担う。開校当初から始まった取り組みは、子どもの居場所づくりをはじめ教職員の負担軽減、ボランティアのやりがいにもつながっているようだ。
同本部の事務局長を務める東城喜代美さんは、「当初は授業の合間の中休み限定で貸し出し業務を担っていた」と振り返る。図書館が居場所となる児童や生徒がいることなどを知り、東城さん自身もメンバーとなる学校運営協議会に報告。学校運営協議会では、ボランティアで図書館を開放する日程について協議し、拡大することを決定した。現在は放課後や長期休業中にも開放している。
チェック機能に
東城さんは「地域や学校が何を求めているのか、当事者であるボランティアたちは見えにくいこともある。学運協がチェック機関となることで、活動を軌道修正できたり、ニーズを把握できるのは大きい」と語る。
同学運協の小山人司会長は「新規開校というタイミングもあり、学校と学運協と協働本部と理想的ないい形で運営ができている」と手応えを話す。石代校長は「学校教育に地域の力を入れることは、子どもたちにとって教育の幅が広がる」と期待を込める。
今回の表彰は「コミュニティ・スクール(学校運営協議会を設置した学校)と地域学校協働活動の一体的推進」に関わる取り組み。文部科学大臣が表彰している。
学校運営協議会とは、学校の運営や教職員の任用などに意見が言える機関。町会長や民生児童委員などの地域住民や保護者らで構成され、教育委員会が任命する。国は17年に同協議会の設置を「努力義務」とし、八王子市は市立小中学校、義務教育学校の全107校に設置している。
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