八王子市内在住の長野県出身者らで構成される「八王子長野県人会」が2020年に迎える設立100周年に向け、会員増強を図っている。約1年後に迫った記念の年を同郷の友と共に祝いたいという思いがその活動を後押ししている。
同会は1920年に市内にあった製紙工場で働く、長野県出身の工場長、その従業員らで設立され、現在会の会長を務める横山治安さん(86)は「皆でふるさとを懐かしみながら八王子でも結束を固めようという思いがあったのでは」と設立に至った思いを代弁する。当時、長野から八王子へ上京してくる人は次男、三男坊のことが多く、憧れをもって東京に出てきたと思う、とも。発足当時の会員は128人。徐々に会員数を伸ばしながら、なかには市会議員や会社経営者など、八王子の発展に寄与する人材も生んできた。「長野県人は粘り強い人が多い。だから大成する方が多かったのだと思う」と横山さんは笑顔をみせる。
そのなかの一人が、大和田町で建設会社を経営する前田定男さん(70)。建物づくりを通して八王子の街の発展に貢献してきた。「友だちの紹介で八王子の建設会社に就職して以来、この街を見てきた。”西八”は、自分の故郷である長野県諏訪市よりも田舎という印象だったね」と振り返り、同時にこれから発展する街という熱を当時の八王子から感じ取っていたのだという。現在、前田さんは自身の会社、(株)相武企業を同会の事務局として提供。会のイベントなどの打ち合わせ場として会のメンバーのよりどころにしている。
「同郷同士、ちょっとしたイントネーションが合うんだよ。だから皆さんと会うとほっとする」と微笑む前田さん。周年を迎えることに対しては、「すごいことだよね」と感慨深げに語っている。
高齢化が問題
会員増強にあたる背景には会員の高齢化という問題もある。会の幹事長を務める白鳥守勇さん(82)によると現在会員は200人強で平均年齢は80代近くになるという。そのため、1月の八王子七福神巡りや日帰り旅行など、毎月のようにイベントを開き親睦を深めていることなどを広く周知し、若い会員の獲得につなげていきたい、と白鳥さんは力を込めて話す。「会の合言葉は『ためになる』『たよりになる』『たのしめる』の3つ。特に楽しめるをPRしていきたい」と会長の横山さん。そして、「100周年を多くの同郷の仲間と共に祝い、以後も会員数の維持を図っていきたい」と話している。
同県人会に関しては白鳥さん【電話】042・665・4893へ。
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