新型コロナウイルスの感染拡大により、市内の感染者用に確保する病床が満床となった。八王子市は、自宅療養者が8月から「激増」したことを受け、症状が重い患者の早期入院をサポートする「地域医療体制支援拠点」を16日に設置した。自宅療養者や入院患者の状態を適切に把握し情報管理することで、限られた病床を有効に活用していく。
地域医療体制支援拠点は、市職員や市内病院の災害医療コーディネーターなど12人で構成される。新型コロナに感染した自宅療養者のうち、入院の必要性がある人や入院中で早期に退院などが可能な感染者の情報管理などを行っていく。
200床 満床
八王子市によると、8月19日現在、新型コロナウイルスに感染する自宅療養者は1177人。2週間前の2倍近くに上る。市内の感染者用に確保するコロナ病床は6病院で約200床。既に満床だという。
一方、入院患者の中には、自宅やホテル療養で対応できる軽症者もいる。入院の調整は市保健所が担うが、担当者は「電話で聞き取り入院の判断をするため『思ったより症状が軽い』ということもある」と話す。
こうした状況を受け、市は、自宅療養者の入院の必要性について、市医師会の協力により医師に判断してもらう体制を整えた。協力する市内診療所は40カ所となる。
支援拠点は、自宅療養者と市内診療所を調整し、移動手段も確保する。入院が必要と判断された場合は、市内受け入れ病院の調整を行う。市担当者は「一度も受診せずに自宅療養している人もいる。不安の解消にもつながる」と話す。
退院者フォローも
また、入院患者のうち、医師が症状が改善したと判断した場合は、これまでの退院基準(発症から10日間、症状軽快後3日間)より前に転院や退院ができる。支援拠点は、退院者をフォローする診療所の調整などの役割も担う。市担当者は「早急に治療を必要とする人が適切な医療を受けられるように、市医師会や医療機関と一体になり対応していく」と話す。
8月17日、市内の新型コロナウイルスの新規感染者数は218人で1日の感染者数としては過去最多となった。
市内で入院受け入れが困難な場合は東京都で入院調整を行うが、「都内の方が一層厳しい状況」(市担当者)という。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|