市内水泳クラブに所属する粟沢裕さん(86)ら4人のメンバーが3月12日と13日に千葉県で開催されたFIAマスターズスイミング選手権大会2022に出場し、混合4×50メートルメドレーリレー(320歳区分)で優勝した。4人は来年開催される世界大会の出場を目指すと抱負を語っている。
出場したのは粟沢裕さん、功子さん(79)、山森教隆さん(66)、安積悦子さん(85)の4人。散田町にある水泳教室、アクラブ八王子で練習している。第2泳者、平泳ぎを担当した功子さんは「年齢的に320歳区分はなかなか出場できない。完泳できたことが非常に嬉しい」と喜びを話す。
4人が出場したFIAマスターズスイミング選手権大会は、競技者の暦年齢(2022年12月31日現在の年齢)により出場が区分される。4人は、合計した年齢が320歳に達したことから、混合メドレーリレー(320歳〜359歳)区分にエントリー。3分43秒34で完泳した。また、同区分の出場は同チームのみだった。
80歳以上 5%
一般社団法人日本マスターズ水泳協会によると、同協会に登録する競技者のうち、80歳以上は1387人。全体の5パーセントほどとなる。
同クラブの飯塚良久コーチは「元気がよすぎる方たち。出場することが素晴らしく、皆さん一生懸命練習されていた」と話す。
年齢「ぴったり」
4人がチームを組んだのは今回が初めて。
きっかけは功子さん。以前からリレーチームを組む安積さん、夫の粟沢さんと自身の年齢を踏まえ、320歳区分で出場したいと考えていた。粟沢さんはもともと、他クラブで練習していたが、チームを組むため昨年、同クラブに所属した。
そんなとき、大会に出場する山森さんに出会った。功子さんは「山森さんの年齢がちょうどぴったり。昨年末にスカウトした」と話す。
誘いを受けた山森さんは「責任重大だった」と苦笑いで振り返る。依頼を受けた泳法はバタフライ。6年前に肩を故障して以来、バタフライは泳いでいなかったという。「2カ月間は猛特訓。コーチにお願いをして、違反しないよう、50メートルを泳げるよう必死だった。こんなに集中した大会はなく、完泳してほっとした」と話す。
一方、功子さんは「山森さんが難しかったら自分が泳ぐつもりだった」とリレーに対する熱意を語る。個人種目では、アジア大会で銀メダルを獲得したことがあるなど実績も。中でも「リレーが面白い。チームでメダルがとれると楽しい」と笑う。
そんな熱意に押されて出場したのは安積さん。60歳から水泳を始め、今回の大会は1500メートル自由形などに出場している。「泳ぎは速くないんだけどね。年齢で貢献するつもりでやってみようかなって」と振り返る。
チームの目標は来年福岡県で開催される「世界マスターズ」の出場。粟沢さんは「来年までもつかな」と冗談めかすが、これまで病気知らず。功子さんとともに朝練に参加している。
山森さんは「皆さんの泳ぐ姿は若々しく尊敬する。目標ができて嬉しい」と話した。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|