ヨーヨー、こま、けん玉といった昔ながらの玩具の楽しみ方を知ってもらおうと、その世界チャンピオンら「達人」が市内の学校、保育所などを無償でまわっている。「あそびの出前」と名付けたこのパフォーマンスイベントを行っているのは(株)そろはむ(千人町)の長谷川貴彦代表(42)と田嶋朗(あきら)さん(25)。長谷川さん(TAKA)はヨーヨー、こま名人として、田嶋さん(AKIRA6段)はけん玉名人(けん玉道六段)として様々なメディアで活躍している。
ヨーヨー、こま、けん玉ショー・体験「上達楽しんで」
2人の「出前」活動は今年7月から本格的にスタートしこれまで合計市内6つの小学校、保育所を訪問した。体験した子どもたちからは「練習するとできるようになって嬉しかった」「絶対上手になろうと思った」などの声が聞かれた。
途切れる危機感
長谷川さんはヨーヨーのAP(アート&パフォーマンス)部門で、過去3回世界大会で優勝した実績がある。2011年にはヨーヨー専門店を運営する会社を起業した。
その一方、長谷川さんが日常的に触れている玩具が子どもたちにとって「珍しいもの」になりつつあり「継承が途切れてしまう」危機感を募らせていた。
そこで、もっと身近に感じ、さらに競技種目と認識し「生涯スポーツ」としても楽しんでもらえるようにと、多くの子どもらが玩具に触れることのできる機会の創出を考えた。それがショー、ワークショップ(体験)などをパッケージ化した「出前」だ。たまたま「岡持ち」を手に入れ、このフレーズがピンと来たそう。
7月、ある保育所を訪れたときのこと。まず2人の達人がヨーヨー、こま、けん玉のショーをした。その後、幼児がチャレンジ。こままわしは「線香花火」や「散歩」などの技にも挑戦した。「食いつくように見てくれている子どももいて、その目線が印象的でした」
なおこの3つの玩具の共通点として長谷川さんは「上達を楽しむもの。教えたり教わったりでコミュニケーションツールの側面も強い。手の器用さが養えるので、子どものうちに遊んでおいたほうがいい」と話す。「練習すればうまくなる。何かをやりぬくことで『到達できるもの』を見てもらいたい」。長谷川さんによると、こまやけん玉は学校で教えるところもあるそうだが、「指導方法はバラバラ。道具を正しく扱い、技を楽しむ、本来の経験を学べないケースも発生しています」
「先」を募集中
現在、市内の小学校、PTAの集まり、学童保育所などを対象に「出前先」を募っている。長谷川さんは将来的には有償化しビジネスにつなげることや、学びたい子を集めて道場を開くなどの展望を持っている。
なおこの活動はこのほど、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局により日本文化の魅力を発信する「beyond2020プログラム」に認証された。
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