昨年3月、中野上町で新たに「0041(マルマルヨンイチ)商店会」が発足した。「小売店がほとんどない」「同じ通りにない」など従来の商店会の形とは少し異なると話題になった。1年をむかえ会長の小松和久さんらに話をきいた。
「小売店ない」
中野上町の郵便番号の下四桁から「0041」と名付けた商店会が発足したのは昨年3月。地元の職人やアーティストらコアメンバー5人で活動している。
この商店会の加盟は6店。一般向けの小売店はほとんどない。さらに各店(各社)の売り上げの多くは市外からの来訪者という。また同一エリアではあるものの、それぞれの拠点が近い訳でもない。「異例尽くし」の商店会とも言える。会員の久保田保久さん(久保田鉄鋼(株))は「これだけのクリエイターたちがそろって1つのエリアにいるのがすごい」と話す。
市によると実際には商店会の定義にはあいまいな部分もあるとしつつ「店が点在しているケースは稀にあるが、小売店がほとんどないのは都内でも珍しい。空き店舗対策にもなる点や将来的に小売店も招致してもらえる見込みもある」という点を考慮して認定したという。
モノづくりの街に
会長で空間インテリアを手掛ける小松和久さん(ケースグラウンド)は2年ほど前、家具・インテリア業界で注目していた岡本道雄(ミチオオカモトウェアハウス)さんと袴田大介(ウォルデン)さんが同じタイミングで中野上町に拠点を構えたことを知った。「面白いことができそうだ」と自身も地元である八王子に事務所を構えることにしたという。「街の人たちに、自分たちの日常のすぐそばに『モノづくり』の現場があると知ってほしい」と考え、商店会の形でまとまることした。しかしそこは職人気質の会員が多いだけに、「全員が一匹オオカミなので、全員でできるイベントは年に1回くらい」と苦笑する。
小松さんは中野上町を「クリエイター目線では『おいしい』場所」と考える。準工業地帯で、八王子ICまで車で5分、家賃も安いそう。「こんなにいい条件の場所は東京でも珍しい」。会の大きな目的は、行政とはまた別でのモノづくりの特区のような場所作り。「今の蔵前(台東区)は、倉庫をリノベーションしたお洒落なカフェや雑貨店が立ち並んでいます。中野上町は、それとは一線を画したモノづくりに特化した街にしていきたい」と大きな夢を語った。
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