腰が抜けるほど
その大役の重圧から、昨年12月の入山式までの間、熟睡できない日々が続いたそう。高尾山薬王院第三十三世貫首となった佐藤秀仁僧正=人物風土記で紹介=に今の心境などを聞いた。
「昭和の山本秀順三十一世、平成の大山隆玄三十二世は『揺るぎない愛山護法の精神』を継承されてきました。その血の滲むようなご苦労を考えると、腰が抜けるほどの思いでした」。就任の知らせを聞いた際の驚きをそう振り返る。
一方、家族や同僚、信徒、檀家らから「おめでとう」と声をかけられ、中には涙を流して喜ぶ人もおり「こんな気持ちでいてはいけない」と気を引き締めた。
謙虚であれ
式をむかえるにあたり山本元貫首の墓参りをした。まわりに茂る大きな杉を見て、「この木だって最初から大樹ではなかった。厳しい自然環境を耐えてここまでになったんだ」。そう思うと、ほっとすると共に大きな勇気が湧いてきたそう。
大山前貫首の直弟子。謙虚であれ―。前貫首から最も学んだことだ。「堂々とするのは仏様の前で拝むときだけでいい」と教わった。修験道を続けてきた身として今後、「法螺貝の吹き方や火渡りなど、貫首として若い僧侶に教えることができる。それはとても楽しみ」と話す。
心の拠り所に
新型コロナウイルス感染症により先行きが不透明な今。山の主としてこう呼びかける。「古刹の貫首というと高齢のイメージを持つかもしれません。私は50歳、筆頭総代は44歳。若さと元気にあふれています」「高尾山は命の力に漲(みなぎ)る場所。皆様には心の拠り所にしていただければ幸いです」
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