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生理の不安 なくしたい 学内に無料ディスペンサー

教育

掲載号:2022年1月6日号

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設置を実現し記念撮影をする青野准教授のゼミ生ら=同大学提供写真
設置を実現し記念撮影をする青野准教授のゼミ生ら=同大学提供写真

 丹木町にある創価女子短期大学に昨年11月、学内女子トイレに生理用ナプキンの無料ディスペンサー(装置)が設置された。「生理の貧困」問題の解消につながればと学生が大学に提案し実現した。関東の女子大、女子短大では初の試みという。

創価女子短大 学生提案スマホで受け取り

 ディスペンサーは専用アプリのユーザー登録をしたスマホを近づけると、ナプキンが無料で受け取れるというもの。オイテル株式会社(港区)が提供する。

 大学側に設置の提案をしたのは「SDGsと女性のエンパワーメント」をテーマとする青野健作准教授(国際ビジネス学科)のゼミ生16人。

 ゼミ生は昨年4月、東京都が展開する「都民による事業提案」への内容を考える中で当時、世の中で問題になりつつあった、経済的な理由で生理用品の購入をできないこと、いわゆる「生理の貧困」の解消をめざす案をまとめた。

 ゼミ生は「都内全ての女子大・女子短大にいつでも生理用品へアクセスできるシステムを設置し、誰でも安心して生理用品を使える環境を整える」という提案で6月、都に提出。残念ながら採用はならなかったが学生たちはその後、「せめて自分たちの短大だけでも」と大学側へ要望。ディスペンサーを提供する企業も交え意見交換を重ね、学内調整を繰り返し11月、運用が開始された。

「心強い」

 「心強いという感想。いつ生理が来ても安心で『そろそろ来そう』という心配もなく学校生活を送れる」「生理に対しマイナスな気持ちが無くなった」。さっそく利用した学生からはそのような声が聞かれた。

 担当した青野さんは「我々のビジョンは生理の貧困をなくすとともに、生理のことをオープンに語れる世界をめざすもの。トイレットペーパーと同じ感覚で生理用品にアクセスできるような世の中になれば」と話す。ゼミ生も「市内の施設へ広めていきたい」とし、青野さんは「全国の大学のみならず役所や商業施設、オフィスなどにも設置されることを望んでいます」としている。

なぜオープンに?

 「生理をオープンに語る」ことについて青野さんに聞いた。

 ――日本はオープンでないと感じますか?

 「日本は生理について語ることはタブーとされていると受け止められています。思春期の女性特有の身体的な成長過程にあることから、男性と女性とで知識格差があります。そのまま成人になっていくことから、生理について男性側は理解不足、女性側は出血というデリケートな自身の身体的な現象であることからオープンに語りにくい構造が出来上がってきているという印象があります。ただここ数年、ネットを通じて女性たちの声がシェアされるようになったことや、各国で女性議員の数が増えたことにより、女性の視点を入れた法改正が進むようになったため、様々なところで生理の問題が議論されるようになったのも事実です」

 ――海外でオープンな国はありますか

 「スコットランドでは、一昨年11月に世界で初めて、生理用品を無償提供する法案が可決されました。ニュージーランドでは昨年6月から全ての学校で生理用品を無償配布しています。ドイツは一昨年、タンポンの減税がされました。アメリカの12州をはじめ、ケニアやカナダなども、生理用品の税金撤廃や減税を行っています」

スタートライン立つ

 ――そもそもなぜオープンであるべきなのでしょうか

 「生理の貧困は、この相対的貧困に該当するものです。相対的貧困とはその国の水準と比較して困窮した状態で、一部の人が受けている貧困状態です。生理の貧困にあたる学生は約20%で、5人に1人の若者が直面しているという現状であることが分かりました。そしてその原因は経済的な理由に限らず、親からのネグレクト、夫または父からのDVなど、多岐に渡り、『可視化されにくい』という問題もあります。お金がなくて生理用品が買えないとは言いづらい、家庭の事情を他人には伝えにくい、そもそも生理について理解されにくい、男性側も生理について理解不足であるという現状です。この点をオープンに語れる社会になることが、生理の貧困を解消していくためのスタートラインになると考えています」

設置されたナプキンディスペンサー=同大学提供
設置されたナプキンディスペンサー=同大学提供

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