豪雨時の避難行動に役立てようと、段ボール製の地形のジオラマを活用した水害教室が10月16日、八王子クリエイトホールで開かれる。「地形から危険箇所を確認し、災害を自分事として捉えてほしい」と呼びかける。
主催はNPO法人防災・災害ボランティアかわせみ(石川町)。調布市や世田谷区で、段ボールのジオラマを使った水害教室を開いている。八王子市内での開催は初となる。
このジオラマは、等高線に沿って切り抜かれたパーツを組み立て、地形を再現する。一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワークが提供し、全国小中学校の防災教育などで活用されている。主催する同法人の代表理事・谷岡康さんは「八王子は起伏がある地域。自分の住む場所では何が危険なのか、地形から知ることが重要」と、ジオラマを使う狙いを話す。
河川工学博士の谷岡さんは、国土交通省、東京都による都市型水害対策検討委員会に関わるなど、都市型水害対策の専門家でもある。「都市のほとんどは水害に弱い低平地で、堤防があるからといって安全ではない。洪水は必ず起こる」と警鐘を鳴らす。特に、豪雨や河川の水位上昇により雨水の排水ができない「内水氾濫」に注意が必要という。谷岡さんは「洪水の前に内水氾濫が起こる。50センチの浸水で子どもや高齢者、車いすの人は避難が困難になる」と指摘する。
今回の水害教室では、1万2500分の1の縮尺で八王子市全体のジオラマを参加者と組み立てる。市のハザードマップを投影し、立体と平面の両側面から危険箇所を確認する。谷岡さんは「組み立てる作業を楽しみながら、災害を自分事として学んでもらえれば」と思いを込める。
会場は八王子クリエイトホール(東町)で午後2時から4時まで。対象は小学高学年から高校生と保護者。詳細は同法人のウェブサイト。
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