左入町にある村内ファニチャーアクセス八王子本店内にあるミニギャラリー「サロン樫の木」が、1月30日(火)をもって休廊する。展示会の予約受付を担当していた専任社員・源原重行さん(83)の退職に伴うものだ。源原さんは「15年間、とても楽しかった。『誰もが無料で作品を展示できる場所を』という理念をもとに始まり、市民の皆様にも親しんでもらえたのでは」と今までの歩みを振り返った。
市民の文化活動支え
同ギャラリーは、本館北3階にある約40平方メートルのスペース。誰でも無料で立ち入ることができ、休憩用のテーブルやイスも設けられている。スペースには壁面が3カ所あり、主に個人主催者による写真展や絵画展などが行われている。会期は1回10日間ほどで、多いときで月3回開催。年間にして36回、市民の作品展のために開放してきた。
同ギャラリーができたのは2008年。現会長の村内道昌氏により、「八王子を中心とする文化グループの作品発表の場の提供」を目的に開設した。大和田町で別のミニギャラリーの管理業を行っていた源原さんは、サロン樫の木開設を機に、左入町にやってきた。「家具店の店内にこういった場所があることをどう周知すればいいのか、不安が尽きなかった」と源原さん。しかし蓋を開けてみれば、「無料で展覧会が開ける」「自分の作品を多くの人に見てもらえる」と評判を呼び、予約の電話が次から次に鳴ったという。
今まで行われた作品展はおよそ450回。水彩画展や書展、昆虫の標本展など。リピーターも多く、「また来年、と言ってくれるお客様もいた。それを思うと寂しくなる」と源原さんは話す。
また、同ギャラリーでは毎年、出展者らによるチャリティ展示販売会を行っている。今までで計14回、金額にして約190万円の売上金を日本ユニセフ協会などに寄付するなど、地域への還元活動も重ねてきた。
4月に再開予定
専任社員の退職に、当初は「再開の目処は未定」であった同ギャラリー。だが、今年4月に再開する見込みが発表された。同スペースの管理を引き継ぐことになったのは、同店文化広報部と兼任する小野保さん。「休廊を残念がるお声を多くいただいた」と再開に至る背景を説明し、「今までの展示ルールと少し変わるが、引き続き皆様の文化発表の場として利用していただけたら」と改めて呼びかけた。
問い合わせは、【電話】042・691・1211。
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