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八王子版 公開:2024年2月15日 エリアトップへ

人生の価値、仕事への情熱 脳卒中から3カ月で復帰

社会

公開:2024年2月15日

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山下忠男さん(左)と聖子さん
山下忠男さん(左)と聖子さん

 60歳で脳卒中で倒れても、仕事への情熱をエネルギーに3カ月で現場に復帰した料理人がいる。京王高尾線めじろ台駅徒歩1分にある日本料理店「旬鮮和膳 藤」の店主・山下忠男さん(61)だ。

 山下さんは昨年8月、仕込みをしていた午前0時に突然、脳卒中で倒れた。左脳の視床出血で右半身が麻痺。左手に持ったスマホを鼻で操作しながら救急車を呼び一命をとりとめた。翌日、医師からは日常生活への復帰に半年、仕事復帰には1年かかるが料理人は難しいだろう、と言われた。

 ショックだったが落ち込んだのは1日だけ。翌日から自分で利き腕だった右腕のマッサージを始めた。山下さんを奮い立たせたのは、仕事復帰への情熱だ。「料理には作った人の感性や経験が反映される。こういう身体でしか出せない味があるはず。もう一つ高みを目指そう」と考え、リハビリに積極的に取り組んだ。3日目には一般病棟へ移り、なんと2週間後にはリハビリ専門の病院に転院。訓練内容についてもスタッフと相談し、調理実習を取り入れた。「もう店は閉めるしかないと思っていたけど、リハビリでオムレツを作った時に考えがかわりました」と話すのは二人三脚で店を切り盛りしてきた夫人の聖子(まさこ)さん(64)。

 脳卒中の回復期は発症から6カ月。最初の2カ月が回復度合いを決めるゴールデンタイムと言われているという。山下さんは「周りを見ると、その時期の大切さをわかってはいても絶望している人が多かった。自分は絶対に、またお客さんに美味しいものをだそう、と思っていたのが良かったのかな」と振り返る。

 さらに1カ月後には退院。10月には、新たな店舗で営業を再開した。「落ち込んでても、美味しいものを食べれば笑顔になる。飲食店は、人に元気や勇気を与えられる仕事だと思っている。お金のためでなく、仕事のやりがいが人生の価値を高めてくれる」と断言する山下さん。

 今も、右腕の麻痺は残る。重いものは持てず、魚の頭を落とすのに一苦労だ。「倒れる前の自分を100点とすると、今は80点。でも120点を目指している」

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