気象庁は3月20日、東京都の桜の開花を発表した。八王子市も同様に毎年、市広報プロモーション課が市内の開花発表を行っている。
市役所庁舎北側にあるソメイヨシノを同課職員と樹木医の職員が目視で5輪開花を確認したら独自で「開花宣言」する。これは、2010年3月31日まで開所していた市の「天気相談所」の名残だという。
年間1万件以上
八王子天気相談所は、防災課の所管として1983年に開所。市内の天気予報業務をを行っていた。市庁舎内に設置されたアメダス(地域気象観測システム)のデータをもとに、市内の天気を解説。市民からの天気に関する相談に応じたり、防災機関などに気象情報を提供したりしていた。
遠足に訪れる人が多い高尾山の天気予報の問合せや、夏休み終盤には過去の天気を調べる児童からの相談も。年間1万件を超える問い合わせがあったという。
当時、同所の嘱託職員が市庁舎敷地内にあるソメイヨシノ数本を観測し、平均して開花する木を「標本木」と選定した。現在のように開花発表はしていなかったが、当時を知る職員は「季節の事象と気象の事象は合致するため、桜の開花も指標のひとつだったようです」と、標本木を選定した理由を話す。
市民関心高く
それ以上に、桜の開花は市民の関心を引いた。同職員は「八王子は都心より遅いため、開花予想の問い合わせは多かった。市民のニーズに応えて開花日を記録していた意味合いもあったでしょう」という。
同所の閉所とともに、市独自の桜の開花日の記録も幕を閉じた。
この業務を引き継いだのが広報プロモーション課だった。同課は現在も、当時の標本木だったソメイヨシノを開花の目安にしている。「紅葉の問合せはないけど、なぜか桜はある。生活に関わりの深い情報としてお届けしています」という。
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