糖尿病(に関する)論文が英ジャーナルに掲載された管理栄養士 安達 美佐さん 南区若松在住 52歳
「楽しむ食事」のサポーター
◯…糖尿病であっても血圧が高くても「食べていけないものはひとつもありません」。問題は食べ方にある。朝食は注意が必要。朝に血糖値をあげてしまうと、1日その状態で推移する。「トマトジュースを飲むといい」「1日2食でいい」。氾濫した情報が患者を混乱させる。「食生活の改善は1回で終わらない。美味しくないと続かない。何よりその人に適した情報があるんです」。今年5月、『栄養士が継続的に関わると(患者の)血糖値の改善がみられる』ことを証明した論文が英(イギリス)のジャーナル「BMCパブリックヘルス」に掲載された。
◯…札幌市の出身。「栄養士の仕事はよく知らなかった」が、地元の短大は食物栄養科へ。一つ上の夫とは高校時代に出会い、すでにその時結婚を決めていたとか。小学校教諭の夢もあったが、「家族の健康や生活に役立つかも」と、栄養士の道を選んだ。1年間の研修を経て、病院・保健所勤務に。そこで”決められた理想の食事に近づける”一律指導に疑問を覚えた。
◯…アメリカの栄養士事情について調べる機会を得た。現地ではフィットネスクラブやスーパーマーケットにも栄養士がいた。「鶏肉を100㌘」といった指示ではなく、「チキンだったらこの大きさ」と実生活にあった指導が行われていた。栄養士の地位はどこの国よりも高く、「これだ!」と思ったそう。現地の栄養士の後押しもあり、「私がやればいい」と決意ができた。
◯…地域の人にもっと栄養士を身近に感じてもらいたい―。アメリカでの経験を経て、7年前、栄養士をマネジメントする合同会社を立ち上げた。そして今月、スタート当初から構想していた食事会を開催。血糖値を気にせず楽しめる会席をシェフと考案、直接栄養士と話せる機会を創出した。「毎日続けるのは難しい。週に4、5日気を遣えば大丈夫ですよ」。一週間の楽しみは週末に夫とお酒を嗜(たしな)むひと時。健康とは「楽しくいられることかな」
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