9月に開催された自転車の「ツール・ド・北海道市民ロードレース大会」で3度目の優勝を飾った 今田(いまだ)裕一(ゆういち)さん 東林間在住 46歳
どこへでも 自分の力で行けるから
○…「どこへでも誰の力も借りないで行ける」。それが自転車の魅力という。「遠くまで行くと、『え!自転車で来たの?』と驚かれ、まわりの人がやさしくしてくれる」とも。個人記録は1日340Km。毎朝、1時間半をかけ40Km程度のトレーニングをする。と、同時に「どうしたら危険ではなくなるか」を常に考えている。「ぶつかった時の衝撃はすさまじい。みんな『こんなはずじゃなかった』と思うもの」と安全走行を呼び掛ける。
○…横浜市中区で生まれ、町田市、厚木市で暮らし、相模原へ。相模大野にある行きつけの焼肉店でトライアスロンの選手から自転車を薦められたのがその(・・)きっかけだ。「カーボンではなく、全て鉄で作られた重たい自転車。近くの製作所でオーダーメイドして、これをとても気に入って」。当初の目的はダイエット。「練習会に参加するとみんな年上。でも勝てない」。トレーニングを重ね、2005年には市民レースに出場。07年には1回目の優勝を果たした。
○…市内の高校卒業後、学校や映画会社で写真を勉強しカメラマンに。カタログ商品の撮影などで生計を立てた。07年から知人の紹介で在日米陸軍公式フォトグラファーとなる。キャンプ座間を勤務地とし、イベントの模様や証明写真を撮影する毎日。英語は働きながら覚えた。「撮った自分が忘れていても、撮影された側は覚えてくれていることがある」。写真の良さは後に残ることという。
○…1年半ほど前から精神力を鍛えるために坐禅(ざぜん)を始めた。「禅の教えは『受け入れる』こと。状況に期待してはいけない」。今回の優勝はその教えが生きた。「慌てるような事態でもパニックにはならなかった」。バレーボールが得意な妻、中2の長女、小4の長男と暮らす。3歳から自転車競技を始めた長男とは、お揃いのユニフォームでトレーニングをすることも。「ただの乗り物でなく、自転車を文化として受け入れてくれる世の中になってほしいですね」
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