「天才ムエタイ少女」として注目を浴びる 伊藤 紗弥(さや)さん 下恩方町在住 16歳
「綺麗な格闘技」広めたい
○…「チャンピオンという実感はないです。以前と何も変わっていないので」。9月にWPMF(世界プロムエタイ連盟)の世界女子ピン級(45キロ以下)王座を奪取。以来、「天才ムエタイ少女」として、TVや雑誌などで取り上げられる機会が増えた。12月10日には「世界王者」として石森孝志市長を表敬訪問。「すごく緊張しました」。様々な経験が「少女」を大人へと成長させている。
○…ムエタイと出会ったのは4歳の時。2人の兄が市内の道場で習っていたところを見て「面白そう」と感じたのがきっかけ。「母親に『私もやりたい』と駄々をこねたそうです。あまり記憶にないのですが」。グローブをはめると、持ち前の負けず嫌いを発揮。兄たちに「喧嘩」を挑む毎日をおくり、力を高めていった。6歳から試合に出始め、15歳でプロになるまでの戦績は200戦以上で、約9割の勝率を誇る。そのほとんどの対戦相手が男子。「リングに上がると怖さを忘れるんです」。心の強さが最大の武器だ。
○…都立八王子拓真高校(台町)の2年生。練習に差し障りがないように定時制を選択し、土日は市内の作業関連用品店で働く。プロとしての意識をもち、ストイックな生活を楽しんでいる。束の間の息抜きは友だちとのショッピング。市内などで服を見て回るのが好きだという。「私は”大人の雰囲気”の洋服が好き。ヒラヒラしたものがついたのは駄目ですね」。「背伸びしたい」年頃の女の子の顔をみせる。
○…ムエタイの魅力を国内に広めたいと考えている。「この競技が世界最強の格闘技とみんなに知ってもらいたい。一撃必殺の足技は本当に綺麗なんです」。そのためには、自身が勝ち続け、注目を浴びることがひとつの方法だと捉えている。「私の課題はパンチ。もう少しうまくなれば、より強くなれると思う」。その向上心が”天才”という呼び名を支えている。
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