小田原市民文化祭俳句大会で市長賞に輝いた 金指 月光さん(本名:金治) 一之宮在住 90歳
頭の中は常に俳句
○…第63回小田原市民文化祭俳句大会で最高賞の小田原市長賞に輝いた。兼題「菊、秋の水」には410句の応募があり、その中での栄誉。受賞した句は『菊活けて余生に不足ない暮らし』。「平和に、健康に暮らせていることに感謝して詠んだ。ありがたいことです」と受賞の感想を話す。
○…取材時に通してもらった部屋には、トロフィーや盾がところ狭しと並べられていた。「並べきれなくて、多少しまいましたが」と笑う。楽しみで続けているという俳句は「最大にして唯一」ともいえる趣味。各地の俳句大会にエントリーを続け、投稿する句を準備したり、結果を心待ちにしたりと、そんな日々を若い頃から続けている。小田原の結果が出たすぐ後には、鎌倉の鶴岡八幡宮の大会でも入賞したことがわかったという。
○…昭和を代表する女流俳人・中村汀女氏の指導を受けたのが22歳のとき。これを機に俳句に熱中する。寒川俳壇では副会長を務める。「皆さんと楽しませていただいている。平均年齢が80歳を超えているので、若い人に入ってもらいたい。初心者大歓迎」と話す。9月には寒川神社参集殿で奉燈句会を盛大に開催した。
○…「電車に乗っていても、道を歩いていても、句そのものが頭から離れない」と日常を語る。見たものをそのままに句にするという、いわゆる「写生句」を得意とするが、「考えて考えてひねり出してもダメ。パッと浮かんでくるものが一番いい。雑念があるとやはりダメで、頭の中がキレイなほうがいいですね」。不思議なのは、2句投稿したときは、出来がよかったほうが評価されないことが多いという。「何年やっても同じ傾向です。本当に不思議です」と微笑んだ。
○…「俳句は頭の運動になる」と90歳代を迎えても元気いっぱい。「3食おいしく食べることが健康の秘訣」と笑う。妻との温泉旅行がこれからの楽しみ。もちろん句帳を携えて。
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