東京八王子南ロータリークラブ(鈴木和夫会長/会員数79)の有志12人が8月、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市を訪問した。津波によって児童74人が死亡・行方不明となった大川小学校で供養をした。
「ひまわりに会いに行こう」――。訪問は谷勝秀会員の呼びかけで始まった。今年3月、クラブへひまわりの絵が描かれたマグネットを進呈されたのがきっかけ。マグネットは、津波で子どもを失くした母親の1人、狩野あけみさん(石巻市)らが「風化が怖い。忘れないでほしい」と被災地のことを思い出してもらえるよう、手作りしたものだ。
狩野さんはクラブ会員で高尾山薬王院の佐藤秀仁さん(高楽寺住職)と親交があった。佐藤さんは、震災直後から真言宗青年会の仲間と被災地へ赴き、瓦礫の撤去などのボランティア活動をしており、その中で行方不明の子どもを探す母親たちに出会った。そこに狩野さんがいた。
「学校がさびしい場所になってしまった」。狩野さんらは2011年夏、旧校舎から150mほどの小高い丘にひまわりを植えた。そこはあの日、子どもたちが避難しようとめざした場所だそう。「潮風が厳しく咲かないと思っていましたが、きれいに咲きました。子どもを育てるように見守っています」。佐藤さんらは高尾山で募った義援金の一部を肥料代として何度か送った。また年に1回は訪れ、狩野さんらと交流を重ねた。
感謝のマグネット
マグネットはこのような支援に対し感謝の印として贈られたもの。佐藤さんがクラブで紹介し会員に渡した。
なお、クラブでは11年4月から被災地支援活動を行っており、義援金として400万円の寄付や石巻市の給食センターにフードスライサーを寄贈するなどした。石巻東RCと交流を持つようにもなった。
今回、佐藤さんによる「縁での関わり」とクラブの支援が「石巻」でつながったことで、有志を募っての訪問となった。旧校舎にある慰霊碑では、佐藤さんがほら貝を吹くなどし皆で供養した。狩野さん夫婦も参列した。
ひまわりを見た谷さんは「心が軽くなりました」と振り返った。佐藤さんは「良縁の行先はひとつ」とし、「行くたびに被災地の人をどんどん好きになっていきます」と話した。
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