石川町に寮を構える、ラグビーチーム「日野レッドドルフィンズ」(日野市)が8月、国内最高峰に位置するトップリーグに初めて挑む。注目選手の一人が司令塔(SO(スタンドオフ))としてチームを引っ張る市内在住の染山茂範選手(27)だ。「まず、このリーグに定着していけるようにしたい」と話している。
「ラグビーをやっていて一番うれしかったかな」――。染山選手がこう振り返るのが、今年1月下旬に大阪府で行われた、トップリーグ昇格をかけた入替戦だ。試合は、染山選手の、正確なキックによるゴールや相手の裏をつくパスから生まれた得点などで、昇格を目指すレッドドルフィンズが前半戦を17対5と大差をつけて折り返す。しかし、相手の粘りにあい、後半残り10分強のところで同点に――。
ただ、そこからが染山選手の見せどころだった。「隙がある」。相手守備陣とゴールラインの間にわずかなスペースを見つけると、その隙間にボールを蹴り込み自ら取ってトライするつもりでダッシュ。すると、得点を防ごうとする相手から犯則を受け、決めれば3得点となるペナルティーゴールを獲得し、自ら決めた。決勝点だった。
「興奮しましたね。より上のレベルでプレーしたくて、昨年このチームへ入った。その目標が1年で達成できて本当にうれしい」
そう語りながら、当初から好意的に出迎え、居心地の良い環境をつくってくれた仲間への感謝の言葉も口にする。そして、おかげで力を発揮できた、とも。
ムードづくりにも貢献
福岡県出身。高校で年代別の日本代表に選出されるなど活躍し、大学卒業後は広島県のチームへ。そして昨年レッドドルフィンズに加入した。
「誰とでも仲良くなれる選手。そのフレンドリーさはチームにプラスになっています」と、チームの広報を務める苫谷直樹さん(29)が話すように、1年目から競技面だけでなく、チームのムードづくりにも一役かってきた。
プロ選手と、チームを運営する日野自動車(日野市)で働きながらプレーするメンバーで構成されるチームにおいて、染山選手は会社で事務職に就き、仕事後に本練習に向かう毎日を送っている。
「5月から、仕事時間を短縮してもらい、より競技に集中できる環境にしてもらったんです」。週1回程度とれる休みの日は、自室を掃除するなどして息抜きを図っているという。「身体のケアを兼ねて、みなみ野にある温泉に行くこともありますよ」
8月31日に開幕戦
初のトップリーグ開幕戦は8月31日(金)、町田市で行われる。「全てにおいてレベルアップしないと」と課題を口にしつつも、開幕が待ち遠しくて仕方がないと話す。
司令塔として相手の隙をつき、味方を生かすプレーをしたい、そして、いつか優勝を――。
染山選手は屈託ない笑顔でそう意気込み、初戦を迎える。
八王子版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|