上壱分方町在住の岡部塁斗さん(10)が8日、リフティングやドリブルなどサッカーの技術をパフォーマンスとして「魅せる」競技「フリースタイルフットボール」の全国大会に出場する。競技を始めてわずか1年半での躍進の裏には「楽しんでプレーしてもらいたい」と願う父親の思いがある。
現在小学5年生の塁斗さんが競技と出会ったのはわずか1年半前。1年生の時から始めた、地元のサッカークラブでレギュラーを取れなかったことから、技術を高めるためにと、父親の政志さん(38)に勧められたのがきっかけだった。
「サッカーは上達してきましたがプレーしていて楽しそうでなかったんです。夢中になってプレーできるものとしてもフリースタイルはぴったりと考えたんです」と政志さん。
衝撃受ける
2人で向かったのは、日本有数のフリースタイル競技者が集まる国分寺市にある施設。そこで見たフリースタイルのパフォーマンスに塁斗さんは衝撃を受けたのだという。「ボールを自由自在に動かし、すごかった。かっけーな、と。この競技の当時の世界チャンピオンにも会うことができたのもうれしかった」
夜間まで没頭
すると、翌日から塁斗さんはフリースタイルの練習を開始。ほぼ毎日、自宅の庭で黙々とボールを「動かす」日々が始まった。政志さんが参加することもあったが、基本は一人で。あまりに夢中になってボールと向き合うために政志さんが止めないと夜遅くまで続けることもあったという。
「1つの技ができると、うれしくて、次は次はとなってしまうんです」と塁斗さんは話し、政志さんは「今では、夜間でも練習ができるよう庭に専用のライトをつけてしまいましたよ」と苦笑いをみせる。
2カ月もすると、塁斗さんが4年生になる時に、政志さんと約束した「1年間で100回、リフティングができるようになる」という約束の回数を遥かに超える千回のリフティングができるように。
その姿を見て政志さんは「涙が出るほどうれしかったです。今では約6千回できるようになりました」と振り返る。
日本一目指す
そしてフリースタイルの競技大会に出場するようになると、今年7月には、8日に静岡県で行われる、フリースタイルの小学生日本一を決める全国大会への出場を決めた。
大会は、1対1で対戦していくトーナメント形式で行われ、ひとり1回1分間の試技を交互に2回行い、それぞれの技の完成度や美しさなどの優劣を競う。どのように技を組み合わせていくのかも結果を左右する鍵となる。
競技構成を考えるのも楽しい、と話す塁斗さんが「日本一を目指します」と意気込みを隠さず話す一方で、政志さんは「全国に出られるだけで私は十分。競技を通して塁斗に友だちが多くできたことが何よりもうれしいんです。大会では楽しんでプレーしてもらいたい」と我が子の成長に目を細めている。
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