体育館に仮想避難
みんなが被災者でみんなが支援者――。防災意識を高めるワークショップが10月24日、上柚木の愛宕小学校で行われた。
主催は青少年対策上柚木地区委員会。同会では東日本大震災を機に2012年以降、毎年この時期に防災ワークショップを開催している。
今年はコロナ禍ということもあり、これまでのグループワークと異なり「個別体験型」に。小学校の体育館に仮想避難をし、実際に避難所を体験してもらい「どんな形が良いか」を聞き取るものとした。
対象は同小、上柚木小、上柚木中の児童、生徒とその保護者と地域住民。合計150人ほどが参加者した。
赤ちゃんは必ず
来場者は入口で避難所カードに登録し、体育館の中に設置された避難ゾーンを見て回った。各家庭ごとに用意されたスペースの広さ、銀マットの寝心地、また、赤ちゃんのいる家庭やペットの扱いなどについて「実感」してもらった。「避難するのは自分の家族だけでなない。だから、赤ちゃんエリアは絶対必要で、ペットは必ず別の所にいてもらわないといけない。そんなこともわかってもらいたかった」。同会副会長の貴家(きや)由美子さんは説明する。
職員足りない
貴家さんらがこのワークショップを企画するようになったのは「誰もが運営者であってほしい」という思いが強い。災害が発生し避難所が開設された際、そこには運営のために市職員が派遣されることになっている。「ここだけならいいが、もし災害が市内全域となったら。市内には108校ある。その全てに職員が来れるか?」。そんな疑問が行動に走らせた。「調べるほどに職員が足りないことがわかりました。八王子も足りないし、東京都も足りない。被災したらみんなが被災者であるとともに、みんなが支援者でなければならない。そう考えるようになりました」
乾パンすぐ消費
学校の近くにある集合住宅にはおよそ600世帯が暮らす。一方、避難所に用意してある乾パンは1750食分。1世帯3人と考えると、保存の乾パンは1回の食事で消費されてしまう。「1750という数だけ見ると安心してしまうかもしれないが、実際そうでもない。自分たちが過ごしやすくするには、どうしたらいいか?今回のワークショップではその点についてみなさんと考えたく実施しました」と貴家さんは振り返った。
参加者からは「毎年やってもらっていて助かる。1年経つと忘れてしまうことも多い」などの感想があった。
なお、集まった参加者からの声は取材時点で集計中だった。
八王子版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|