学びの先端って、どこ? 創価女子短大の場合 第1回 生理の貧困のこと【1】
このコーナーは、創価女子短期大学(丹木町)で教える青野健作准教授に、学びの現場や自身の体験についてお話ししてもらうコーナーです。
私のゼミナールでは、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられる社会課題を「自分事」として捉え、問題解決に向けた提案を考える取り組みを行っています。ゼミ生が選んだテーマが「生理の貧困」。任意団体「みんなの生理」のアンケート調査によると、約5人に一人が生理用品を買うのに苦労した経験があることが明らかになっているのです。
男性教員である私にとって、従来から日本でタブー視されてきた「生理」をテーマにすることに悩みました。彼女たちが調べていく中で、「人生100年とした場合、約40年間は生理と向き合っていく」、「生理は100人100通りの症状がある」、「スマホは持っているのになぜ生理用ナプキンは買えないのか」という色んな考え方に触れる中で、これは大変な問題に挑戦することになると覚悟しました。
しかし彼女たちは、「生理のことをオープンに語れる世界」という大きなビジョンを掲げ、教員である私のことをチームの一員と呼んでくれたのです。教員である私の方が学生から学ぶことが多いです。私も腹をくくり、この問題に取り組むことを決心しました。
調べてみて分かったのは、「貧困」という言葉に引きずられてしまいがちですが、生理用品にアクセスできない理由は、経済的な理由だけでなく、親のネグレクトや虐待、父子家庭という環境、性教育の不足・知識不足などがあることが分かりました。これは、貧困やジェンダーの問題のみならず、社会全体で考えていかなければならない課題だと感じました。SDGsが掲げる「誰も置き去りにしない」という理念の意味を改めて問われているように思います。
さて、ゼミ生たちは、この問題に対して私も驚くような挑戦をするのですが、それは次回に紹介させていただければと思います。 (つづく)
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