八王子市の「路上喫煙の防止に関する条例」施行から10年。喫煙者と非喫煙者の共存を目指し制定され、一定の効果を上げている。一方で、東京都が受動喫煙の防止条例制定を検討するなど、今後は屋内の喫煙へも規制が進む可能性が高まっている。
路上喫煙の防止に関する条例が施行されたのは2007年。安全な歩行空間を確保することで、快適に過ごすことができるまちづくりを目指し、市内全域で歩きたばこが禁止に。また、(JRと京王)八王子駅や京王相模原線の南大沢駅など市内4駅周辺が歩きたばこの他、路上での喫煙禁止地区になった(指定の場所での喫煙を除く)。禁止地区で喫煙し、指導や命令に従わない場合は2万円以下の罰金が科せられる内容となっている。
八王子市が実施しているこの条例に関する実態調査(各年1日間実施)によると、八王子駅北口の場合、施行前の06年7月に2・66%だった歩行喫煙率は昨年10月には0・15%まで減少。たばこのポイ捨て数は5534本から1202本へと数を減らすなど、一定の効果を見せている。「喫煙者と非喫煙者の共存を目指し実施してきた」と市担当者は話す。
都 新しい規制検討
一方で、都が都民の健康増進の確保などを目的に、多数の人が利用する施設など屋内での受動喫煙防止対策をより推進していくための条例制定を検討している。先月には、その基本的考えを公開し、都民の意見を募集した。「ラグビーW杯が開かれる19年頃の施行を目指している」と都担当者。五輪・パラリンピックのホストシティとしての取り組み、という考えもあるようだ。禁煙指導などを行っている、中野上町・あさみ内科クリニックの浅見和弘院長は「受動喫煙は気遣いで対処できるものではなく、非喫煙者を守るためには具体的な対策が必要となる。自治体レベルから開始するのもいいが、職場など小さなコミュニティから広がっていくのが理想だ」と話している。
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