「自助具(じじょぐ)」と呼ばれる福祉用品を作るボランティア団体がある。八王子自助工房フレンズ(元横山町)は2015年から活動を行っている。自助具は関東地方では馴染みが薄く、製作する団体もわずか。代表の伴毅(ばんつよし)さんは「活動についてもっと知ってほしい」と話す。
関節など体の一部が動かしにくい人でも、他者の助けを借りずに自分でできる。できることが増えれば、積極性や生活の質が高まることも期待される。
フレンズが手掛けるものは、片手で取り出せるラップや、握力が弱い人でも使えるよう柄を加工したスプーンなど。依頼があれば、ほぼ材料費のみで作っている。
10人のボランティアで活動している。それぞれ都合がつくときに上恩方町の作業場に行く。「モノづくりが好きなリタイア組」が多いそう。
伴さんは自身も両手が震えて字を書くのが不自由なので、パソコンで図面を作り、作業は他のメンバーに任せている。
活動を始めて2年半、伴さんが感じているのは「自助具に対する認知の低さ」。そのため活動をなかなか理解してもらえないのが課題だ。
体の状態に合わせて再加工も
伴さんは「人によって『どこまで動けるか』など障害の程度は異なるから、基本的にはオーダーメイドになる」と話す。さらに、障害は進行する場合も多いので、そのときの状態に合わせて作り直すこともある。
現在頼まれている自助具の1つが「左手だけで吹けるトランペット」。依頼者は指の動く範囲にも制限があるので、その部分も調整しながら作る必要がある。「でも、どうやったら吹けるようになるのか。それを考えるのが楽しい」。伴さんの目は使命感に満ちていた。フレンズについての問い合わせは八王子市ボランティアセンター(【電話】042・648・5776)へ。
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