JR八王子駅北口にあるペデストリアンデッキ「マルベリーブリッジ」が延伸した。市が駅周辺の環境整備の一環として2018年から工事を進めてきた事業で4月5日、西放射線ユーロードまで伸びた他、八王子東急スクエアへつながるようにもなった。地元商店会は「京王線側からの人が増えると思う。これからは再開発もあり街の発展が期待できる」と喜ぶ。
「ここからはじまるユーロード」。デッキの延伸、開通を歓迎しユーロードにある「西放射線通り商店街振興組合」(前野博理事長・71)はそんな横断幕を掲出した。駅からユーロードを訪れる場合、改札口のある2階につながるデッキを使うと、これまではその手前で歩道に降り信号を渡らなければならなかった。それが駅前広場の北側から東急前を通り、そのまま行けるようになった。シンボルでもあったアーチは撤去されたがエレベーター、エスカレーターが設置され利便性は向上した。
ユーロードは、戦後の復興による区画整理で駅が現在の位置に移動するなか、駅を中心に放射状に伸びる通りのひとつとして誕生した。「当時の街のにぎわいは甲州街道沿いの八日町、横山町の商店会にあり、駅からそこへ向かう目的でできました」。前野さんはそう振り返る。
前野さんによるとユーロードの人通りは今も1日3、4万人あり、かつてとそれほど変わりはない。ただ、多いのは駅周辺に限り、駅から離れるほど少なくなっていくそう。そんな中での延伸は「待望」とも言える。近隣にある商店会の会員は「初めて来る人に対し場所をはっきり示せるようになった」「(デッキの上から)全体を見渡せるようになった」とユーロードの存在感の向上を喜んでいる。
催し活発で賑わい
通りが現在のように「買い物公園道路」として歩行者道になったのは1983年(昭和58)のこと。駅前にそごうが開店し、街の中心が駅寄りに移っていくなかで実施され、新たな賑わいが創出された。ただ、平成に入ると、自転車の違法駐輪が課題に。風紀の悪化に危機感を募らせた前野さんらは解決手段の一つとして「イベントの開催」を提案。イベントを開くことで「停められない」環境を作りだした。1990年代後半から開催は活発になり、今も続くものも多々あり「人出が変わらない」現状に貢献している。
そんなユーロードを見守り続けてきた前野さんは、延伸に大きな期待を抱いている。「京王線のある東側から来やすくなり人が増えると思う。今後は東側の開発(産業交流拠点の工事)、先にある中町の中心市街地活性化事業と街が新しくなっていく。楽しみだね」。新しいユーロードがここから始まった。
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