柚木街道沿いの鑓水にあるアパートに6月、巨大アートが登場した=写真。アパートオーナーが建物の近隣にある多摩美術大学(鑓水)の学生にエールを送ろうと企画し横浜市内在住のペインター、Kensuke Takahashiさん(ケンスケさん)が制作した。
虎にまたがった若者が森の中を進んでいく壁画は縦13メートル、横9メートルあり、3階建てアパートの東側全面に描かれている。ケンスケさんはこの大作をわずか10日間で完成させた。
今回ケンスケさんに発注した建物オーナーの英(はなぶさ)竜史さん(多摩市在住)は、アパートからおよそ500mという近隣に多摩美術大学があることから当初、学生から参加を募り壁面に絵を描いてもらおうと考えた。2019年のことだった。
ただ、その後新型コロナウイルスの感染が拡大し「人を集められない」状況になったことから公募は断念。代わりにインスタグラムでウォールアートを探した。
ジャングル進む
そこで目に留まったのがケンスケさんだった。「面白い絵を描く。近場(町田)でやっている実績もある」とのことで今年3月、制作を打診した。「学生さんはコロナの影響で大学に通えない状態が続いていた。それでも上をめざす彼らにエールを送りたい」。英さんはケンスケさんにそのような思いを伝えた。それを受けケンスケさんは制作に着手。「ジャングルの中で道に迷う少女が悩みながらも、一緒に旅する仲間たちや、自然のガイダンスによって道を見つけ、強く進んでいく」。そんなイメージの壁画を専用のペンキとスプレーを使い作り上げた。
「大きな絵は力」
制作を見守った英さんは「圧巻の出来。ものすごく細かくできている」と完成を喜んだ。ケンスケさんは「大きな絵はそれだけで力があると考えます」と話す。現在、アパート住人の半分以上が多摩美生という。英さんは「この物件から世界に羽ばたくアーティストが誕生してほしい。壁画にはそんな思いも込めています」と期待する。入居の学生もたびたび制作を見学していたそうで、英さんは「刺激を与えられた」と実感している。
ケンスケさんは大型壁画を中心に飲食店舗内壁画、企業や行政へのアートワーク提供などを手掛けている。
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