25日(日)まで相模大野で展示を行う、バッグ作家 岸 恵理子さん 南区相模大野在住
独学クラフト 「感謝」の親子展
◯…寒色をメーンとした色鮮やかなバッグの数々。古い布、地方で購入した生地、変わった素材などを組み合わせ、パッチワークのように一つひとつを丁寧に作り上げる。シルクスクリーン(版画)で独特の模様を添えることも。そもそも、バッグ作りは独学で始めたという。「生活のためというより、自分の楽しみで作っています」。初となる地元での展覧会を昨日から開いている。
◯…東京都東久留米市の出身。両親とも教員を勤めながら、休日は作家活動を行う、カルチュアルな家に育った。リトグラフ版画に興じる父、七宝焼きに没頭する母。「二人が楽しそうに制作をする姿を常に見ていました」。生活の一部にアトリエがある環境で、自然と美術に対する感性が養われたそうだ。中学生の時から絵画教室に通い、高校、短大は女子美術大学へ。結婚を機に、夫の実家がある相模原にやってきた。
◯…短大時代は絵画を専攻していた。卒業後、テキスタイル(布)デザインを学び、銀座で知人と作品展を開催。そこである画家と美術批評家から神のお告げ!?が。「君のバッグは素敵だ。作り続けた方がいいよ」。一旦デザイン事務所に就職するものの、3年経ったのち、作家活動を再開。本格的に自宅でのバッグ制作をスタートした。「平面的な製作物(テキスタイル)から、立体的な作品づくり(バッグ)をするようになって、見える景色が変わりました」。数週間かけ、一つのバッグを完成させる。
◯…両親だけでなく、祖父も作家という(彫刻家)。「無職みたいなものだから、生活が大変だった」と、父からよく聞かされた。それだけに「好きなことができて、今はとてもありがたい」と夫への感謝の気持ちを忘れない。今回の展示は、実はポーセリンペインティング(陶器絵付)作家である夫の父の作品も登場する、”親子展”となっている。12日間は最高の親孝行になりそうだ。
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