復興が進まない福島県の現状を知ってもらうための学習会が7月6日、中央区の相模原総合学習センターで行われた。いまだに放射線量が高い福島県の親子を招き、市内などで保養キャンプを企画・運営している「母(かあ)ちゃんず」(竹内亜紀代表)が主催したもの。約60人が参加した。
定期的に福島県を訪れ当直医を務めている牛山元美(もとみ)医師(南区相南在住、さがみ生協病院)は、今年の春に医師研修で訪れたベラルーシ共和国における、チェルノブイリ原発事故の影響をレポート。現地の人が1週間近く事故を知らされず高濃度の放射性物質の中で生活し続けたことや、小児甲状腺がんが事故の4年後から増加したこと(放射線との関係が国際的に認められた)などを解説。また「被災地に関心を向け、話の輪を広げる」「自治体やメディアへ自分たちの意見を伝える」ことの必要性を訴えた。
神奈川新聞社の石橋学さんは、自身が取材し続けている母ちゃんずの活動について「福島と相模原、距離はあっても、子を思う気持ちを共有することでつながっている」と話した。また満足に外で遊ぶことのできない福島の子がキャンプを楽しむ様子に、「人を変えることはできないけれど、育てていくことはできる。楽しい記憶が刻まれれば、子どもたちは思いやりのある社会を作ってくれるようになるのでは」と、取材を通して感じたことを話した。
終盤には福島県大玉村から相模原市緑区の実家へ自主避難している鹿目(かのめ)久美さんが「被ばくを大量にした事実は、避難しても変わらない。この先いつ帰れるのか見当もつかないが、忘れないでいてくれる人たちがいることが救い」と話した。さらに、「娘がただそこで笑っていることが幸せなのだと知ることができた」と、前向きに現状をとらえようとしている姿勢を示した。
なお母ちゃんずでは、今夏も保養キャンプを実施する。今回も申し込み開始直後に受け入れ予定人数に達したそう。「一時期に比べ乳幼児の保養を受け入れる団体が極端に減っている」と鹿目さん。同団体では活動を継続するための支援金を募っている。問い合わせは代表の竹内さん【電話】090・3214・2086へ。
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