南区が主催する平成27年度「私のイチ押し写真」で大賞を受賞した 坂上 和正(やすまさ)さん 相模台在住 83歳
南区で刻む 新たな景色
○…「相模川」と「木もれびの森」。南区の中で好きな場所の写真2点を応募した。うち、相模川を望む麻溝地区の名所「八景の棚―春」が、大賞を受賞。「まさか一番上の賞だとは思ってもいなかったので。光栄です」。撮る人も、見る人も違うのだから”みんな違ってみんないい”という考え。これまで積極的になれなかったコンテストだが、このほど審査した高橋ぎいちさんの「その人が何を表現しようとしているのか」を重視した審査で評価されたことは、温かく響いた。
○…きっかけを辿れば終戦後に父の使っていたカメラに触れたこと。もう70年ほど前になる。同じ写真好きな友人と写真を撮っては押し入れで真っ黒になりながら現像に勤しんだ。出版社から自動車部品会社まで様々な職業を経験。現役中は仕事に精をだし、定年後、思い出したようにカメラに触れた。縁あって市内の写真仲間に出会い再開となった。
○…20年ほど前から市内の風景写真サークル「フォト四季」に所属。月に一度は集まり講評し合い、年に数回は撮影へ遠出する。旅の際に天候は選べない。昔は敬遠していた雨の日も、「下手な曇りより中まで光が通って映る」と今では好んで撮れるように。実は、被写体はどこにでもあってそれを見つけられていないだけ。その時々の環境に対応しながら一番良い構図を見つける。長年続けてきたからこそ分かるカメラの奥深さ、面白さを今、改めて痛感している。
○…「1回みるか、何十回みるか、そのどちらかしかない」。山岳写真家の田淵行男氏の残した言葉に共鳴し、それは自身の写真人生の指針ともなっている。何十回と同じ所に登って初めて分かること、見える風景に出合う喜び。「だからこれからも、何度も相模川へ足を運ぶのでしょうね」。相模原市に移り住み45年、数えきれないほど通った相模川のまたとない一瞬を、これからも切り取っていく。
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