さがみはら南区版 掲載号:2018年11月1日号
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がんを患いながらも、このほど21世紀国際書展で文部科学大臣賞を受賞した 古戸 弘さん 中央区相生在住 76歳

書は気持ちを宿すもの

 ○…横138cm、縦40cmの分厚い木の板に描かれた「森羅万象」の刻字。刻み込まれた篆(てん)書(しょ)体の文字一つ一つがダイナミックな印象を与える。これまで制作した作品の数は「数えきれない」。今回、半世紀以上続ける書道家人生で過去最高の賞に輝き、「作りあげることに集中し、賞を意識していなかったので嬉しかった」と白い歯をこぼす。

 ○…東京都出身。幼い頃からものづくりに興味があり、18歳で三菱重工に就職。工場の移転とともに相模原に移住した。書の道に進む契機は、美術館で目にした「戦国武将の恋文」。勇ましい武将に似付かわしくない優しく繊細な文字が印象に残った。その後、社内の書道部に入部し毛筆を一通り学んだ後、定年後に新しい分野への挑戦として刻字を始めた。こうした中で昨年6月、医者に告げられたのは「がん」の二文字。ふさぎ込みたくなるような状況の中、「落ち込む暇なんてない」と前を向いた。残りの人生を楽しもうと、闘病中ながら「集大成」として今回の作品作りを決心した。

 ○…座右の銘は「文武両道」。書道の傍ら空手道にも力を入れる。当初は社内で空手部にも所属し、稽古に励んでいたが、現在は大会運営などに携わる。家庭では3人の孫娘に恵まれ、学校の書初め大会に出品する作品は必ず手助け。「うまく書けてるよ」と笑顔を見せる。

 ○…これまで作品制作に要する期間は2カ月ほどだったが、今作品は予期せぬ闘病もあり半年間かけて完成させた。一方で、がん闘病という「逆境」のエネルギーが豪快な印象の作品を生んだように、時間をかけて制作したことで作品にはその時々の意思が宿ることに気が付いた。今後は、「がんから生還した喜びを作品に表現したい」。大病を乗り越えたからこそ生まれる思いを刻字に込める。

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