6月12日から古淵のギャルリーヴェルジェで個展を開催する 菅野 春佳さん 当麻在住 42歳
「絵は、生きるために」
○…子育てに奔走する主婦として、小学校の図書館司書「佐藤さん」として生活するかたわら、旧姓で画家として活動している。個展を相模原市で開くのは今回が初めて。窓からのどかな風景が望める自宅の2階をアトリエに、コツコツと準備を進めてきた。描かれるのは「家族」。「上手くて、わかりやすい絵ではありませんが、鑑賞した人が自分も何か始めてみようと思うきっかけになれば」
○…千葉県出身。保育園で迎えを待つ時間の孤独をまぎらわすため、絵を描くことに没頭した。今も寂しさを抱えた児童には敏感だ。小学校ではミニバスケ部に所属し活発に過ごすも、父が交通事故に遭い、その後母も病気を患うなど10代の頃は家族に災難が続いた。精神的に疲弊したが、「絵を描くことで足りないものを埋めてきた。生きるために必要不可欠なもの」。8年がかりで美大を卒業するなど、決して平坦な道のりではなかったが、「描くこと」は続けてこられた。「色々あったんです」と若き日の苦悩を、今は笑顔で振り返る。
○…美大時代に知り合った夫とは、2人の子宝に恵まれた。長男が所属する地元のサッカーチームでは、応援だけでなく広報としてチラシ作りもこなす。趣味はドライブ。月1回は、東京湾アクアラインを使って実家へ車を走らせる。両親への孫の顔見せを兼ねて、よい気分転換になっている。
○…子育てを通じて気づいた、自身の中に確かに存在する幼少期の自分。その声に突き動かされ、今日もキャンバスに想いをぶつける。最近胸に響いた言葉は「大げさすぎる親切心」。「絵で誰かのために、地域のために何かできないか」と思案し、個展期間中にワークショップを開催するに至った。「大人ひとりでも家族連れでも、ぜひ参加してほしい」と来場を呼び掛ける。
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