知的障害者のためのアート活動グループ「フェイス・オブ・ワンダー」を主宰する 金子 光史(みつし)さん 古淵在住
相模原にアートの森を
○…知的障害のある人たちに思い思いの表現方法で自由にアート作品を描ける場「フェイス・オブ・ワンダー」を創設。以来30年以上に渡り活動を続けてきた。相模原では初めてとなる作品展の開催を目前に控え「様々な人と一緒につながり、相模原に『アートの森』を作るきっかけになれば」と興奮気味に嬉しそうに語る。
○…ベトナム戦争や70年安保などを発端とした学生運動真っ盛りな時期に大学時代を過ごした。何が正しく、何が間違っているのかが分からなくなった時代の中で「生き方が見えなくなった」と決まっていた出版社への就職を断ってしまう。とあるきっかけで紹介されたのは成人後、障害のために職場や家庭、地域にも居場所がなくなった知的障害者らの更生施設。2年間彼らと寝食を共に過ごすうちに「彼らから学ばせてもらった。彼らと一緒に生きていきたい」と一念発起。通信制の大学で学び直し、教員免許を取得。東京都で採用され、特別支援学級の教員として彼らに寄り添い続けた。
○…不思議な会の名前は聞き間違いから生まれた。絵画教室の回を重ねるうち「会の名前が欲しい」となり、協力者の一人が生物学者レイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目をみはる感性)』からとってはどうか、と電話で打診。センスがフェースと聞こえ「不思議な顔?でも面白い面々と、言い換えれば良いネーミングかな」と思ってそのまま付けたそうだ。
○…作品展では障害の有無にかかわらず誰でも自由に絵を描ける場も設ける。「子どもたちや学生たちにも経験してほしい。相模原から豊かなアート文化を作っていけたら」と未来への思いが溢れた。
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