「NPO法人 相模原アレルギーの会」(南区南台)理事長 北島 芳枝さん 藤沢市在住 63歳
患者の側から「医療を変える」
○…「住民票がここにあるんじゃないかという人も多かったですよ」。6ヵ月、1年、あるいは2年…。かつては喘息(ぜんそく)を患(わずら)うと、長期の入院を余儀なくされることも。始まりは、21年前に国立相模原病院(現・(独)国立病院機構相模原病院)の医師が患者向けに開いていた勉強会。「これからは医者に任せるだけでなく、患者自身もアレルギーの勉強をしなくては」―。そんな思いから結成した十数名の患者会は、今では400人の会員を擁するNPO法人へと成長。最先端の知見を取り入れた講演会や勉強会を、定期的に行っている。
○…川崎市に生まれる。「関係ないとは言えないでしょうね」。大気汚染が深刻化する中、父は公害病の認定患者となり、自身は小児喘息にかかった。成長するにつれ何事もない生活を送ることができていたが、35歳前後から風邪がなかなか治らなくなった。仕事中に激しい発作が起き、意識がなくなりかけたことも。そんな折、父に体のことを電話で相談。「お前の住んでいる近くに、いい医者がいる」。公害で肺を病んだ経験から、その名医の居場所を知ったらしい。「遺言のようなもの」。父は、その数時間後に他界。不思議な縁を感じ、国立相模原病院を訪ねた。
○…「喘息だから、これはダメと決めないこと」。人生のモットーだ。最近はスクエアダンスを始めた。”何でもやってみる”の精神で、20kgもの器具を背負う、パラグライダーにも長年親しんできた。現在は、大手食品会社で勤務。「いつ調子が悪くなるかわからない」不安と戦いながら、勤めて23年が経った。
○…発足時より患者会に携わってきた経験から、昨年2代目理事長に就任。「どのドクターにも、最新の医療に触れて欲しい」。専門医同等の治療ができるガイドライン活用の提言も、積極的に開業医に行っている。「医学の進歩、患者の生活環境の改善で、いつか入会する人がいなくなればいいですね」。
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