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アルミへ付着ダイヤのように「硬い膜」 大野台・表面加工業 県が認定“世界発信”技術

経済

公開:2012年2月9日

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 中小企業により開発された優れた技術や製品を、世界に発信しようと神奈川県が平成17年度に創設した「かながわスタンダード」。今年度の認定企業として、南区大野台の株式会社不二WPC(下平(しもだいら)英二代表=写真)が選ばれた(他4社)。同社は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)・コーティング技術による高性能ピストンが高い評価を受けた。市内でこの認定を受けるのは、5社目。

-・-・-・-・-・- DLCとは、ダイヤモンドに似た硬い特性を持つ炭素のことで、これを被膜にして物質に付着させたのがDLC膜。身近な所では、電気カミソリの刃や温かいペットボトル飲料にこの技術が使用されており、また人体への毒性がないことから、カテーテルなどの医療機器にも応用されている。

「不可能を可能に」

 そうした一方で、炭素との親和性が低く、密着させるのが困難な物質が存在する。その1つがアルミニウムだ。「技術者の方たちからは『炭素とアルミをくっつけるなんて、無理だよ』と言われました」と、代表の下平さん。同社では、アルミ合金の表面を特殊加工することで、この技術開発に成功。”不可能”と考えられていた、アルミニウム合金にDLC膜を付着させ、自動車エンジン用のピストンを考案した。その「ダイヤのような」硬い被膜を施すことで、ピストンに高い耐久性と摩擦軽減を実現。その点が今回、県に評価された。

レースでも高評価

 ミシンの部品、医療機器、自動車部品…。様々な工業製品が持ち込まれ、DLC膜をはじめ、従業員12人の同社では日夜それらに様々な”表面加工”を施す。国内モータースポーツの最高峰レース「フォーミュラ・ニッポン」では、レース車のトランスミッションの分野で技術協力を実施。元F1ドライバー・中嶋悟さんが現在、監督を務める「ナカジマ・レーシング」でも同社の技術は評価されているそうだ。今回の認定に関して下平代表は、「いい技術を持っている会社はたくさんあるんです。けれど、それを一般の人に”認めてもらう”というのはなかなか難しい。行政が『これはいい物』とフィルターをかけてくれたのは、ありがたいこと」と、喜びを見せていた。
 

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