第67回冬季国体ショートトラックスピードスケート男子500m2位(少年男子) 齋藤慧(けい)さん 光明学園相模原高校(南区当麻)1年 16歳
女神微笑む「駆け引き上手に」
○…一周111mのトラックで隊列をなし、着順を競う「スケート・ショートトラック」。選手同士が至近距離で走行、進路を妨害されるのも当たり前。ボディコンタクトだってある。先日の国体500m少年男子では、2位だった選手を抜く際に両者が接触。その選手は、レース後反則で失格となった。「もしあれがなかったら…」。スピードやテクニックという実力に加え、展開に応じた判断力、そしてツキ。「スピードだけでは単純に勝てない。うまく駆け引きをしたり、でもそこがおもしろい」。2年後のソチ五輪出場を夢見る。
○…清新小、清新中(共に中央区清新)を卒業。現在は光明学園に通う、生粋(きっすい)の相模っ子だ。小2で、銀河アリーナ(淵野辺公園内)を拠点にするクラブチーム「相模原SSC(スピードスケートクラブ)」へ。頭角(とうかく)を現したのは、中学1年の時。ジュニアのアジア大会で総合3位の成績を残した。今年の1月には日本代表のジュニア強化選手として、ユース五輪に出場。千m男子では、ただ一人の日本人として世界と鎬(しのぎ)を削った(4位)。
○…姉、兄、弟の兄弟全員が「SSC」に所属。趣味は釣り。休日には横浜の海へ、家族と出かける。また、映画鑑賞も一家揃ってがお決まり。ジブリが封切りになる度に、全員でシネコンに足を運ぶ。
○…五輪メダルを獲得した日本人は、この種目では2人(個人)。「まだまだマイナーなスポーツ。自分がメダルを獲ることで、多くの人に知ってもらえれば」と、気を吐く。先日のユース五輪で、アメリカ人コーチから言われたことがある。”君は若い時のJR(ジェイアール)(米)の滑りにそっくりだね”。『JR』とは、一昨年のバンクーバー五輪で表彰台に輝いた、トップスケーターのセルスキー選手のこと。「大人とのレースではまだまだ。タイミングよく追い抜きをかけたり、レース展開を読む力をつけたい」。日本のトップジュニアは、幸運の女神も味方につけ虎視眈々(こしたんたん)と”先頭”を狙う。
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