神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
さがみはら南区版 公開:2014年11月13日 エリアトップへ

紫綬褒章遠藤さん 移ろう万象、楽しみ描く 美術界発展への貢献が評価

文化

公開:2014年11月13日

  • LINE
  • hatena
遠藤さん(下)。上は10月末まで二紀展に出品した作品=5日、自宅アトリエ
遠藤さん(下)。上は10月末まで二紀展に出品した作品=5日、自宅アトリエ

 南区西大沼在住の画家、遠藤彰子(あきこ)さん(67)がこのたび、2014年秋の紫綬褒章を受章した。「知らせを聞いた時は突然の話で驚いた」と話す遠藤さん。「世の中に後押しされたようで、元気づけられる」と受章を喜び、「時代も変わるが、自分も変わっていく。これからどんなイメージが湧いてくるのか楽しみ」と、創作への飽くなき意欲を見せた。

全国で14人

 紫綬褒章は、学問やスポーツ、芸術などで優れた業績を挙げた人を対象に、毎年春と秋に授与される。今回の受章は全国で14人。

 文部科学省では遠藤さんの選考理由を、独特な時空間に豊穣な世界を描いた作品発表や、後進の育成を通じての美術界発展への貢献が評価された、としている。

 東京都中野区出身の遠藤さん。幼少から絵を描くのが好きで、都立高校の芸術科に進学。現在に至るまで半世紀の間、絵に携わってきた。結婚を機に22歳の時に相模原市へ転居。20代に人間と動物の共存を描いた「楽園」シリーズで多くの賞を受賞。30歳手前で、生まれたばかりの長男が生死をさまよったことをきっかけに、平和の中に危うさを取り込んだ「街」シリーズを開始し、1986年に作品「遠い日」で「画壇の芥川賞」として知られる安井賞を受賞した。

1000号「続ける」

 絵のさらなる可能性を追い求めるうちに、500号や1000号(縦333cm、横497cm)といった大きな作品に取り組むようになった。現在も年に1作は1000号を描き出展する。「体力が続くまで描きたい。中身がスカスカになったら大きな絵を描いても意味が無い。大作を成り立たせるための考えや、絵が動くようなエネルギッシュな感覚。それをどこまで続けられるか、楽しみでもある」

 遠藤さんが絵に投影するのは、自身の生き方だ。「時代の感覚を取り入れながら、その時の自分の外的・内的なものを表現している」。年齢を重ねていくことにも戸惑いはない。「先のことはわからないから。これからどんなイメージが湧き出てくるのか楽しみ」と話す。

 現在は武蔵野美術大学油絵学科の教授という顔を持ちつつ、普段は自宅アトリエで創作に勤しむ。各地での展覧会や40年以上出品を続ける二紀展の作品制作など、自宅にいる日は10時間、大学へ行く日も3時間ほど筆を握る。絵を描かない日は無い。「いつも『この作品が最後かな』と思うけど、完成すると、『よし、まだ大丈夫』と次作の準備を始める」と微笑む。講演会やコンクール審査など多忙の中にあっても、「今は絵を描き続けて、少しずつ海外にも目を向けながら発表していけたら」と今後の抱負を語った。

さがみはら南区版のトップニュース最新6

1市5町に「消滅可能性」

人口戦略会議

1市5町に「消滅可能性」

相模原「中間に位置付け」

5月16日

保育所申込みが過去最多

相模原市

保育所申込みが過去最多

待機児童は南区に7人

5月16日

ホコ天で街に賑わいを

サウザンロード商店街

ホコ天で街に賑わいを

1日限定 地元商店出店も

5月9日

22地区を「楽しく学んで」

市印刷広告協同組合

22地区を「楽しく学んで」

ゲーム開発で出前授業

5月9日

酒楽祭を初開催

相模大野北口商店会

酒楽祭を初開催

コリドーで5月26日

5月2日

障害者へ「合理的配慮」

障害者へ「合理的配慮」

民間義務化も周知に課題

5月2日

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 1月19日0:00更新

  • 12月1日0:00更新

さがみはら南区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook