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東日本大震災の自主避難者で、被災地の現状などを伝える講演を続けている 鹿目(かのめ)久美さん 緑区原宿在住 47歳

公開:2015年3月5日

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いつか 福島へ帰る日が

 〇…「つらい思いを繰り返すだけ」。一方的に自分の話をした後の帰り道は、いつも苦しくなる。聴講者と対話できる形式の方が好きだ。「震災後から今までのことを語ってほしい」などと、年に10回近く講演の依頼がくる。しかし振り返りたくないこともある。それでも前向きになれる理由は、「震災で大きな被害を受けたわけでなくても、生きづらい世の中で自分に不安をため込んでいる人が多い。みんな一緒。がんばっていかなければ」。いつもそんな思いに後押しされ壇上にあがる。

 〇…生まれた当時の住まいは、相模原市内にある工場の社宅。父親は昼休みになると敷地内の工場から家に戻り、お風呂に入れてくれた。その後、現在の住居へ移り、「近所に住む叔父も叔母も家族同然。親戚の中で育てられました」。幼稚園の時から器械体操をはじめ、小3から競技クラブへ通うように。体がとても柔らかく、中学を卒業するまで通い続けた。高校時代も部活に明け暮れ、朝5時台に家を出て、夜10時頃に帰宅をする毎日。休みは年に3日ほど。「怪我をするし、体重制限はあるし…。小2の長女が『やりたい』と言っていますが反対です」と苦笑い。努力の甲斐があり高3の時にはインターハイへ出場した。

 〇…趣味はジャズダンス。震災から2年ほど経った頃。「そろそろ自分の楽しみを持ってもいいかな」と独身時代から遠ざかっていたダンスを再開した。「余計なことを考えなくていい。すっきりできる」そう。仕事は2月からフルタイムの職種に。「マイナスの経験がプラスになるから」と、昨年秋からカウンセリングの勉強も始めた。

 〇…「いつかは福島へ帰らないと」と、長女は言う。「でも二十歳までは帰らない」とも。自身の心は「まだそんな(戻る)気にはなれない」「でも家は福島。いつか戻る場所」と揺れ続けている。「どこかで区切りをつけないと。いつかそんな日が来るんだろうな」

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