営業自粛などにより売り上げが減少した中小企業に最大200万円を給付する「持続化給付金」。市内の外国人経営者からは、不慣れな日本語での申請は難しいとの声が聞かれる。身近に日本語が堪能な知人がいてようやく申請に至ったケースもあった。
読めず「知人は諦めた」
在住外国人の生活に関する相談窓口を開く八王子国際協会によると、対面相談自粛により電話のみの対応になったため、5月の相談件数は前年の2、3割に減少したが、コロナ関連を含む深刻な相談が寄せられているという。「外国語が通じる相談先を探し回ってたどり着く方もいるが、書類作成など、口頭で解決策を伝えることが難しい場合もある」と話す。
口コミで情報入手
中町で13年間タイ料理店を営むカティーヤさん(38)は、今年2月以降の売り上げが前年比50%以上減少したため、5月7日、同給付金を申請した。補助金・給付金の種類については、店を心配して訪れる常連客から口コミや、日本在住外国人によるフェイスブック上の投稿から情報を得た。日本語の読み書きはできるが、書類作成には不安があったため、10年来付き合いがある日本人の友人に確認を頼んだという。
友人である市内在住の会社員男性は、日頃からカティーヤさんのもとに届いた郵便物の仕分けや、家電の故障時など、日本語の理解が深く求められる場面で相談に乗っていた。「自分は補助金の種類には詳しくないが、必要書類の種類など、分かることもあったので手伝った」と話す。
日本語わかるが…
「日本語の読解が苦手な同業者は、給付金の存在を知っても申請を諦める人もいるようだ」。横山町で10年間インドカレー店を営むラジュさんはそう話す。自身は日本の大学に通っていたため、日本語で情報収集することにも慣れている。しかし、申請に必要な書類を作成する資金が不足して、同給付金を申請することができない状況だ。コロナ禍による2カ月の休業が響いたという。「自分は日本語がわかるからまだ良かったかも。しかし、現状について相談しようと申請窓口に電話をしてもつながらず、全く目途が立たない」と不安を語った。
関係性貴重
市内で外国人と日本人の文化交流活動に携わり、英語の通訳案内士でもある高山裕子さんは、日本で暮らす外国人について、ひらがなであれば理解することができる人も多いが、漢字が含まれる文章は「自力で調べることが困難」である場合もあると説明。自身が活動を始めたきっかけが、英語の日常会話ができない状態で渡米したときの不安にあるそうで「言葉が理解できない環境では、人と出会うことすら難しい。気軽に相談できる関係性は貴重だ」とした。
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