昨年、38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。その打線でルーキーながら3番打者を担い、日本シリーズ優秀選手に選ばれた森下翔太外野手は中央大学硬式野球部(拠点は八王子市東中野の多摩キャンパス)出身だ。本紙では、プロ1年目を終えた森下選手にインタビューを実施。また、父・善文さんにも取材を行い、幼少期の森下選手の話などを聞いた。
森下選手は、横浜市港南区出身。2000年8月14日生まれ(23歳)の右投右打の外野手。小学校入学前に野庭日限フェニックスで野球を始め、中学校時代には戸塚リトルシニアでプレー。その後は東海大学付属相模高校、中央大学で活躍し、2022年のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受けた。
プロ1年目となった2023年シーズンは、開幕一軍を掴むと、94試合の出場で、打率・237、ホームラン10本、41打点の成績。日本シリーズでは新人記録となるシリーズ7打点を記録し、優秀選手賞を受賞するなど、チームの日本一に大きく貢献した。
さらに11月には日本、韓国、台湾、オーストラリアの若手選手による国際大会「アジアプロ野球チャンピオンシップ」の日本代表にも選出され、打線の核を担った。
父考案の練習で上達
森下選手に野球を教えたのは父・善文さん。善文さんは一人息子の森下選手が生まれると「プロ野球選手にする」と心に決め、身体や怪我についての知識を本で勉強。また、森下選手が本格的に野球を始めた後は、毎日定時で退勤し、練習相手になった。練習場所となったのは、家の中や、日限山公園内の通称「大公園」。同公園について善文さんは「自宅も練習ができる同公園が近いという理由で購入した」と話し、森下選手も「大公園で遊んだり、練習したことなどが思い出」と語るほど、「原点」となっている場所だ。
そこで、森下選手は善文さんが考案した数種類の打撃練習を日々繰り返した。特に「やってよかった」と語るのが、それぞれ違う色のついた3個のボールを同時に投げ、指定された色だけを打つティーバッティング。善文さんは「楽しく練習を続けてほしいとの思いで、色々な練習方法を考えた」と話す。
また森下選手は自身の経験を踏まえ「子どもたちには、楽しみながら練習することが大切と伝えたい」とした。
激動のシーズン
背番号「1」の期待のルーキーとして迎えたプロ1年目は激動のシーズンとなった。オープン戦では全選手中2位の打率を記録するなどアピール。開幕戦(対横浜)で6番右翼のスタメンに抜擢されると、翌日にはプロ初安打を放った。
だが、4月、5月は月間打率1割台とプロの壁にぶつかる。「プロは野球に対する意識が全く違う」とアマチュアとの差を痛烈に感じたそう。二軍落ちも経験した。
復調のきっかけは構えと、頭の使い方だ。自身で考え、寝かせていたバットを立てる構えに変更。また、相手投手の配球を読むようになった。
すると、7月9日にはプロ初ホームランが飛び出し、以降はレギュラーに定着。日本一へ駆け上がる虎打線の原動力になった。「ビールかけやパレードは楽しかった。ファンも沢山詰めかけ、人気球団でプレーできていることはとても幸せだと感じた」と話し、球界屈指の人気を誇る球団でプレーする重圧を感じさせない。「来季はさらに活躍し、地元を盛り上げられる選手になりたい」と飛躍を誓った。
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