今夏、全国高等学校・定時制通信制陸上競技大会の男子走高跳で3位となった 山田 陽仁(はると)さん 山梨県在住 星槎国際高等学校3年
高く高く「やればできる」
○…複雑な思いで受けた結果だった。全国で3位という成績には満足しつつも、目標だった高さに6センチ及ばす、「ジャンプするために踏み込む足の位置が合わなかった。ここまでのことは初めて」と悔いが残った。ただ、一度競技を諦めながらも、この1年間集中して練習に取り組み出した自己ベスト。「やればできる」――。一つの自信は手に入れた。
○…「勉強が好きではないんですよ」。そのため、自分に合った形で学ぶことができる現在通う学校の甲府校へ昨年、転入。高校から始めた走高跳はもうできないと諦めていたが、元八王子町にあるキャンパスなら陸上部があると聞き、競技再開を決意。走高跳を極めるため自宅から1時間30分かけて八王子へ通う日々をスタートさせた。「高いバーを目指し越える達成感を再び味わいたかったんです」
○…全国を目指し練習に励みながらアルバイトにも力を入れてきた。住まいの近くにあるリサイクルショップでの接客業。目的は、趣味であるバイクいじりのための予算を確保するためだった。「学校の勉強は苦手ですが、バイクの知識を得るために本や動画を見るのは苦にならないんです。最近は車の方に興味が移りつつありますが」。バイトを始めた”副作用”で、人見知りだった性格が少し改善。常連客との会話を楽しむようになった。
○…競技はこの秋で一旦引退と決めている。その後は、夢である車の整備士になるための準備を進めていくつもりだ。将来は自分の会社を創業し、オリジナルの車をつくりたいという夢がある。「他にないものを生み出し、目立ちたいんですよね」。「やればできる」。今夏の酷暑のなか、一心に練習に打ち込み出した好結果を誇りに、より高く高く飛躍できると信じている。
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