多摩ニュータウンの調査・研究にあたる市民グループの会長を務める 荒又 美陽さん 文京区在住 46歳
ゆっくり、より深く
○…会への加入は10年前。当時勤めていた大学が多摩ニュータウンの一角を占める多摩市にあったことなどから声がかかった。研究を――と意気込んだ訳でなく、調査研究の準備や活動成果をまとめた学会誌の編集作業など、もっぱら裏方に徹してきた。「取材など、地域の方に協力をお願いし、そのおかげで人脈が広がったことが入会して良かったことの一つです」。会に所属し続ける理由になっている。
○…本業は大学教授。社会問題の地域による違いについて学生らと共に考える毎日をおくっている。元々は住宅の融資などにあたる半民間の団体に勤めていたものの、配属された長崎県で街再生の取り組みに触れたことが転機となった。密集した住宅地の再開発。住民視点に立った地元の大学の先生が出した解決策にピンときた。「物事を捉えるには深く研究する必要があるんだなぁと。学び直しを決めました」
○…「もっと、物事をゆっくり考えても良いのでは」。研究するフランスの都市計画事業から感じた日本のこと。何事にも期限を守り、物事を進めていく日本に対して、「良い意味でいい加減な」フランス人の気質に我が道を感じた。背景には「何事も自分で決めていきたい」という思いが。心優しい夫との生活、読書を楽しむ日々がより楽しくなった。
○…ニュータウンの課題について政策提言していく、と少し固かったグループをより敷居の低いものへと変化させていきたいと考えている。「こんなことが起きてるよって地域に伝えるのが我々の役割だと思っています」。そして、もっと若い力が加わるような会にしていきたいとも。札幌市出身。東京に来て30年近くになるが、正月に雪を見ることができないことにまだ違和感を覚えている。
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