八王子国際協会「世界の人とふれあいタイム委員会」の委員長を務める 生山(おいやま) 龍哉さん 緑町在住 64歳
国境超え、心通わせて
○…八王子周辺に住む世界各国の出身者に講師を依頼し、市民に異文化交流の場を提供しようと継続してきた交流会「世界の人とふれあいタイム」。2010年の第49回から企画に携わり、100回目を昨秋迎えた。「毎回、新鮮味があってお金に換えられない経験。聴いてもらった皆さんには、少しでも海外を好きになってもらえれば」と思いを込める。
○…山梨県で生まれ育ち、小学生のとき訪れた大阪万博で外国人を見て、海外に興味を抱くように。米国人との文通を中学時代に始め、「インターネットも携帯もない。数週間ごとに交わす手紙が楽しみだった」。大学進学を機に上京し、当時の日本国有鉄道に入社。海外の高速鉄道などに従事し、出張ではヨーロッパやインドなど約7年で10カ国以上を回った。英国では日本の鉄道の民営化について大学で講義。「学生はみんな真剣。質問が次々飛んできた」と当時を振り返る。
○…勤務の傍ら、企業の英会話クラブ・ESSで映画やテレビ番組を教材に英語を勉強。1990年に八王子ESSへ。その20年後には「ふれあいタイム」委員の誘いで八王子国際協会に入会。委員長に就き10年になる。印象に残る講師は、3年前に招いた駐日ポーランド共和国大使館の女性スタッフ。「日本文化や芸術に興味を持って勉強を始め、両国の懸け橋になりたいと話していた夢が記憶に残っている」
○…昨夏の東京五輪・パラリンピックではメディアセンターの通訳を経験。国際関係の仕事やボランティアを通じて「外国人と相互理解を深めることが大切」と強調する。「八王子は学生のまち。若者も交え、もっと国際交流が活発なまちにしたい。そのために仕組みが必要」。33年住むこの地で目標を掲げる。
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