夏休みに昆虫採集に出かけた人も多いのでは。そんな中、茅ヶ崎市芹沢の県立茅ケ崎里山公園では、クヌギなど樹液を出す樹木が故意に傷付けられる事例が発生し、同園ホームページなどで「公園からのお願い」を呼びかける異例の事態となっている。
同園の樹木は県有財産で、故意に傷付ける行為は禁止されている。また、植物の採取、鳥獣類の捕獲も都市公園条例で禁止されているほか、昆虫などの持ち出しも制限されている。
これまでも昆虫採集などが目的と考えられる樹木の被害はあったが、同園職員によると「今年の事例は悪質」。被害にあった樹木は園内の広範囲にわたり、数も多い。また、付けられた傷も刃物などによると見られる大型のものが多い。同園の樹木医は「そもそもクヌギの樹液が甘いのは、害虫などを防ぐ抗菌物質を持たないため。かわりに厚い樹皮で身を守っている。傷付いた樹木は最悪倒木の可能性もある」と危惧する。
また、日中に樹液のもとにスズメバチが多数集まる二次被害も発生。特にオオスズメバチは近寄ったものを無作為に攻撃する習性を持つ。子ども向けの広場にも被害樹があり「利用を制限せざるを得ない状況もある」と注意を喚起する。
現在、同園では警察に報告し、見回りを強化している。「環境保全と安全な利用のため、ご協力いただきたい」と呼びかけている。問い合わせは同園【電話】0467・50・6058へ。
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