市はこのほど、運動会などで行う集団競技の一つとされている組体操について、人がよつんばいになり積み重なるピラミッド式などを行う際は、安全に十分配慮して行うよう求めることなどを市立小学校へ通知した。組体操に限定して市が通知を出すのは初めてとなる。組体操を巡っては重大なけがに繋がる事故も起きており、全国的に問題となっている。市では、各校の自主性を尊重しながら、子どもの安全を確保できるよう、学校現場と調整を図っていく構えだ。
学校災害共済給付制度の運営を行う(独)日本スポーツ振興センターの統計によると組体操が原因でけがを負い、医療機関に通院した児童・生徒は昨年、全国で約8000人に上り、頭部や頸部など体の運動神経をつかさどる部分の負傷が多かった。相模原市においては、中学校での組体操は実施されておらず、小学校のみで行われている。神奈川県が行った調査によると昨年度、市内で組体操が原因とされる事故は20件起きており、捻挫や骨折などの外傷を負ったとされる。
相次ぐ組体操の事故を受け国は今年3月末に、組体操の安全性が確保できない場合は中止も止むを得ないとする方針を各自治体に通知。これを受け、自治体によっては組体操を廃止するところもある中、相模原市は、具体的な演目やピラミッドなどについても高さ制限を設けない形で、各小学校に安全配慮を求める通知を出した。市担当課は「各学校と連携しながら事故を無くしていきたい」と話している。
対応は学校ごと
市から通知を受け取った区内の各小学校では、運動会の実施に向けて、対応を検討している。
本紙の取材に対して小学校からは、「生徒の体力・技能を精査して安全面により配慮する」「危険度の高いものを排除し、表現方法を変えていく」「全職員で確認にあたる」といった安全面に配慮して継続するという回答が多く寄せられた。
一方、「今年から実施を中止した」「2学年合同だったものを6年生だけにした」など、変更を決断した学校もあった。
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