昨年中の自転車交通事故が多発した地域として、寒川町が5月1日付で自転車交通事故多発地域に指定された。茅ヶ崎市も同様に指定され、茅ヶ崎署管内は両自治体ともに自転車交通事故の割合が県平均を上回った。
事故数、負傷者ともに増加
指定は、自転車交通事故の減少を目的に、2004年から神奈川県交通安全対策協議会が毎年実施しているもの。地域内で発生した交通事故のうち、自転車交通事故の割合が県平均より3ポイント以上高いもの、または自転車交通事故による死者数が2人以上の県内市区町村が対象。指定された地域は交通安全対策の強化が行われる。
昨年の神奈川県の交通事故全体数は2万7091件で、このうち自転車事故の件数は5888件と21・7%を占めた。寒川町では全体事故数162件のうち45件が自転車事故で27・8%になった。
寒川町内で発生した2016年中の全事故の負傷者数は184人、死者数は0人。このうち自転車事故での死亡事故は0件、負傷者数は47人で、全事故の25・5%を占めた。
前年と比較すると、自転車事故の件数は17件増加、負傷者も18人増加と、大幅に増えていることがわかる。
細い市道目視を大切に
茅ケ崎署によると、管内の事故の特徴は「どの地域もまんべんなく事故が発生している。言い換えれば、どこでも事故が起きる可能性がある」点だという。
管内の地域的特徴を同署は、「全体で古くからの車線がない細い市道・町道が入り組んでおり、見通しの悪い交差点が多い点」と指摘する。自転車事故のうち、市道など狭い道路の事故は約66%、交差点周辺は約74%になる。「停止線で止まっても、相手や自分が死角に入りこみ、姿が見えていない場合もある。自転車や車は特に、ミラーでの確認だけなく、目視を必ずしてほしい」と同署。
また、特に自宅周辺の市道では「道への慣れ」から生じる油断が原因の飛び出しが起きやすいという。「高齢者の方は特にその傾向が目立つ。自分は大丈夫という方も今一度確認し、周囲ともルールを共有してほしい」と呼びかけている。
「7歳の飛び出し」
神奈川県警察によると、「交通事故で最も危ないのは7歳の飛び出し」だという。県内で発生した12年から16年までの交通事故のうち、歩行中に交通事故で死傷した人の年齢は、小学1、2年生の7歳が最多。その数は約800件と、他の年齢の2倍に上る。
その原因の半分以上が飛び出しによるもの。茅ヶ崎署管内でも、自転車の7歳の飛び出しは少なくない。茅ケ崎署は「親の後ろについて飛び出していってしまうパターンもある。また、子どもの視野の広さは大人の半分と言われている。事故後の聞き取りでも、『まさかという所で飛び出してきた』ということが多い」と分析している。
「自転車やドライバーは子どもの姿が見えたら気にかけてほしい。事故が起き後悔してからでは遅い。それぞれが1歩先に起こりうる未来として捉え、安全意識の高いまちづくりに結び付けたい」と話した。
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