2017年神奈川県民功労者表彰者43人が発表され、寒川町から(福)吉祥会寒川ホームの三澤京子さん(62)が選ばれた。三澤さんは施設長として25年間の功績が認められ、栄えある受賞となった。
表彰は、団体や地域の活動などを通じて社会福祉、保健衛生、産業・経済、教育・文化、生活環境などの各分野で長年にわたり活躍し、特に優れた業績を上げた人に贈られるもので、県の最高表彰の一つ。
三澤さんは寒川で育ち、管理栄養士として病院に勤務していたが、17年目のある日、父親が脳梗塞で倒れ、当時でいう要介護度5の状態になってしまったという。突然のことだったが、熟慮を重ねた末、農家の父親が使っていた土地を寄付し、そこに特別養護老人ホームを立て、そこで父親の面倒を見ようと決意。これが寒川ホームの始まりだった。
特養をやろうと決意したのは平成3年のこと。そこから行政の協力などを得て平成5年には開所することができた。介護スタッフの不足に窮する現代の福祉現場と違って、当時は利用者不足が頭を悩ませていた。「知って頂くだけでも大変だった。それでも、小学校時代の同級生がおばあちゃんをデイサービスにと誘ってきてくれたりして、地元の皆さんの協力で軌道にのった」と当時を振り返る。いまでは高齢福祉全サービスを提供する施設として営業を続けている。
現代のスタッフ不足というのは、あくまでも全国的な傾向というだけで、寒川ホームは離職率が低く、三澤さんがスタッフに向ける愛情が、そのまま利用者に注がれるという好循環を生み出している。管理栄養士出身の施設長というだけに、食事面でも万全の体制が敷かれている。「開所してから介護保険が始まるなど、激動の時代を潜り抜けてきた、これもスタッフや地域の皆さんのおかげです」と感謝する。寒川町社協の評議員や、寒川ロータリークラブに所属するなど、見聞を広げて時代の推移を見つめ続ける努力も。寒川ホームは進化し続ける。
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