人権擁護委員としての功績が認められ、法務大臣表彰を受けた 山口 アサ子さん 相武台在住 68歳
肩肘張らず自然体で
○…「頼りがいがあるとは思えないのですけど…」。12年間にわたり人権擁護委員を務めてきた功績がこのほど認められ、法務大臣表彰を受けた。謙遜するが、全国でも133人、相模原市からは唯一の表彰者だ。「最初は2期6年と思っていましたが、そこでようやく委員の役割が分かってきた。気付けば12年。表彰を受けて辞めるのも心苦しいので、あと1期は務めることにしました」と微笑む。
○…人権擁護委員の主な仕事は「相談」と「啓発」。夫婦間の暴力や子供のいじめなど、親類や友人などには話しづらいことの相談に乗る。また啓発活動では地域のイベントなどにも積極的に参加。物品等を配布して周知に努める。「自分も委員になるまで存在を知らなかった。だから、なってからは学生の時より勉強しました」と苦笑い。相談の中には重い悩みもあるが、「聞いてもらえるだけで気が楽になった」との言葉が何よりの支え。それでも常に「これでよかったのか」と自問自答してしまうそう。
○…綾瀬市出身で8人兄弟の4番目。男兄弟に挟まれたためか、木登りや野球で遊ぶ男勝りな子どもだった。現在の趣味は登山と陶芸。夫と出会ったのも、従兄に誘われて登った高尾山。「実は小学生の遠足で大山に行った際、登頂できなかった経験があって、登山は余り好きではなかった」と笑う。しかし、いつしか登山を通じて親交を深め、後に結婚。今でも夫婦で地元の山岳会に入り、近隣の山を中心に山歩きを楽しんでいる。
○…相談員の役割は当番制のため、相模原市だけでなく横浜市などでも電話相談を担当することも。「私たちの仕事は問題解決ではなく、聞くことが主眼。その分、歯がゆさもある」。ただ、委員の存在の重要性も実感している。「自分が聞くのも話すのも好きなので、大それた事をしている気はないけど、悩んでいる人の心の拠り所になりたいですね」と力を込めた。
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